長時間夜勤に従事する看護師の疲労回復に必要な睡眠条件を探るため、わが国で主として行われてきた3交代勤務からの転換が進む16時間夜勤を伴う2交代勤務を行う病棟において、勤務間でとられる夜間睡眠時間と、時間外労働を含む労働時間、疲労感の実態調査を行った。とりわけ離職率が高い傾向にある新人看護師に焦点をあて、夜勤に就く前と後で比較を行った。睡眠時間と労働時間は基本的には表裏の関係にあるものの、夜勤・交代勤務者における時間外労働時間実態とその影響に関する研究はわずかである。 その結果、入職直後に対して、夜勤への従事が始まっている半年後では、時間外労働時間が日勤1日あたり平均50分ほど長かった。睡眠時間は、半年経過後では日勤前夜と休日間で短くなっていた。疲労感についても半年後に上昇しており、入職後では時間外労働が勤務当たり90分を超えると訴えが増大していたのに対して、半年後は60分を超えると訴えが増大していた。長時間夜勤の従事が開始したことに加えて、時間外労働が長くなっており、その結果としてシフトの様々なタイミングにおける睡眠時間が減少することがうかがえた。また、時間外労働が長くなること以上に、長時間夜勤への従事が疲労感を増大させている様子がうかがえた。入職直後に比べて半年後では、休日後の睡眠が短くなっており、生活行動内容や疲労回復タイミングが日勤のみの場合と夜勤に従事している場合で異なることを示唆した。
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