研究課題/領域番号 |
26293459
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
濱田 珠美 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00374273)
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研究分担者 |
大泉 聡史 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10421968)
石川 洋子 旭川医科大学, 医学部, その他 (30550660)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 症状クラスター / 進行非小細胞肺がん / リダクション / ライフサポートプログラム / 症状マネジメント / RCT |
研究実績の概要 |
【目的】本年度の研究目的である、平成25年度までの研究成果を踏まえ、進行期の非小細胞肺がん(Non-Small Cell Lung Cancer:以下、NSCLC)を持つ人の症状クラスター経験に基づくモデルを累積負担モデルとして洗練し、症状クラスター累積負担リダクションモデルを開発するについて、研究協力の得られた2施設(うち1施設先行、1施設後行)で、適格条件の対象者のエントリーとデータ収集を進めた。前年度までの研究成果と本年度の動向に基づき、まず1施設(合計対象者数N=50予定)で、計12名のデータを得て、結果、症状クラスター累積負担モデルについては、同条件対象者(N=100)を加え、計N=112としてSPSS20.0,AMOS20.0を使用し、洗練のため吟味を行った。合計研究協力者112名(男性59.8%)は、平均年齢(SD)63.4(11.2)、診断を受けてから平均(SD)376.9(526.7)日であった。現在の治療内容は、第一次治療者が55.5%で、PS1.0(mean)と、より早期の段階の研究参加者が増え、さらに機能的状態が良好に保たれ、概ね昨年度までの集団とほぼ類似したメンバーシップであった。 症状の深刻さ平均点(SD)は、上位5項目でだるさ疲れ3.2(2.8)、眠気2.8(2.6)、食欲不振2.5(2.8)、不安2.4(2.8)口の渇き2.3(2.7)と続き、昨年度に比し症状経験に変化があった。また、各症状の存在率(%)にもわずかな動向の変化があった。以上のスコアに基づき、昨年度成果に基づく累積負担モデルの洗練のための検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 平成26年度科研計画データ収集までのプロセスにおいて、各研究実施施設(2施設)の倫理審査委員会における審査と各施設における承認プロセスにそれぞれ3か月程度を要した。研究開始時期が当初予定の4月から9月にずれ込んだが、進行非小細胞肺がん患者の症状経験に関する論文作成、がん患者の症状マネジメントに関する今後の研究プログラム開発に不可欠の情報収集と最新知見を得るため、米国Pittsburgh 大学 看護学部 がん看護APN (NP)准教授 Margaret Quinn Rosenzweig 氏の下、がん患者の症状経験研究とそのプログラム適用についての指導を9月~12月に受けた後となり、データ収集開始が遅れた。そのため、累積負担モデル洗練の解析に必要なサンプルサイズとしては、予定数(N=150)の74.6%と信頼性が十分な段階ではないためモデル洗練のための分析が遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成27年度の計画進捗と合わせて、遅れているデータ収集を継続し、予定サンプルサイズに近づける努力を行い、共分散構造分析の精度を高め、累積負担モデルの検討から累積負担リダクションモデルの考案までの研究プロセスの進捗を年度半ばまでで図り、遅れを修正する。 また、平成27年度半ば以降は、予定通り27年度の計画案を加速進捗する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画執行に少し遅れが出ているため、データ解析に使用するパソコン、統計解析ソフト他の設備備品の購入、データ入力などの研究補助者の人件費、調査・打ち合わせ旅費など、研究計画進捗に伴って発生する費用については、その順延に伴って支出を平成27年度に予定変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度中に予定していた研究計画内容は、平成27年度に実施計画に盛り込んでいるため、平成27年度に研究進捗と合わせて、パソコン、統計解析ソフト他の設備備品の購入、データ入力に伴う研究補助者の人件費など、順次支出とする。
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