研究実績の概要 |
平成30年度は「乳がん体験者の生活の再構築の促進を目的とした包括的なリハビリケアプログラム(以下,リハビリケアプログラム)」を作成し,乳がん専門医・がん看護専門看護師・乳がん認定看護師・理学療法士・作業療法士・リンパ浮腫療法士・ヨガインストラクターによって,その内容妥当性を検討した。リハビリケアプログラムは,「病気・治療に関する基礎知識を得る;乳がんの診断・治療とその後遺症について学ぶ」「上肢機能障害を予防改善するリハビリを実践する;術後上肢機能障害の原因・発症率・予防方法について学び,その生活を実践する」「セルフマネジメント力を育む;健康状態をモニタリングし,健康を維持するための生活を実践する」「家族として寄り添う関係を育む;がん患者に寄り添う家族のあり方を学ぶ」「医療者とのパートナーシップを育む;医療者とのコミュニケーションについて学ぶ」「がん体験を人生・社会にいかす;がんサバイバーして生きる力を育むために自分らしい生き方を模索し,実践する」で構成した。 本研究は,初発乳がんで手術を予定している患者を対象とし,患者の生活の再構築を促進する包括的な長期リハビリケアプログラムの有効性を縦断的に検証することを目的としてた。そのため,リハビリケアプログラムを受ける介入群70名は,通常診療に加え,リハビリケアプログラムの上肢機能障害を予防改善するリハビリの実践を受ける対照群70名と比較してQOL(乳がん特異的QOL尺度;FACT-B)が高いことを仮説とし,本研究デザインを無作為化比較試験として設定した。本研究は東北大学大学院医学系研究科倫理委員会の承認(2018-1-787,2018-1-913)を得た上で,2019年2月から2022年6月までの予定で開始した。
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