研究課題/領域番号 |
26293461
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
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研究分担者 |
齊藤 奈緒 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20403298)
吉田 俊子 宮城大学, 看護学部, 教授 (60325933)
正垣 淳子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80725987)
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (90514050)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 急性期 / 在宅療養 / 急性増悪 / 看護支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢化が一段と進み、急増が予測される慢性心不全患者の急性増悪予防(再入院予防)と効率的かつ効果的な慢性心不全患者への急性期から在宅療養支援の連携強化に資するために、以下のことを検討することを目的としている。27年度は、急性増悪予防に有効な看護支援内容を抽出し、プロトコール案を作成するために、急性増悪により入院した患者15名を対象に、1)急性増悪時の症状体験(身体症状の自覚と解釈の特徴)、2)患者が認識する再入院の誘因、3)退院早期の身体活動の特徴について面接調査をおこなった。1)急性増悪時の症状体験(身体症状の自覚と解釈の特徴)では、再入院歴のある患者では、これまでの入院時の身体症状を受診行動の判断基準とする患者、ならびに急性増悪の症状を心不全による症状とは解釈せずに、症状悪化にともない緊急入院となるケースがあった。2)患者が認識する再入院の誘因では、身体症状の出現を主要な誘因として認識しており、医療者がとらえる誘因とは様相が異なっていた。3)退院早期の身体活動の特徴では、体力低下の自覚や活動への恐怖心により、退院早期の身体活動量が一時的に減少する患者や、入院以前から習慣的に行っていた事を退院翌日に再開するなど、退院早期の慢性心不全患者の身体活動の特徴が明らかになった。なお、再入院患者では、身体活動とそれにともなう症状を心臓以外の要因によるもの認識している傾向が強く、心臓リハビリテーション中の患者の認識についても、プロトコールに追加する必要性が示唆された。また、在宅療養における高齢心不全患者の支援について、訪問看護において、急性心筋梗塞を発症し在宅で療養継続した認知症合併例の看護支援について、事例検討を行った。同時に在宅療法患者を対象にした心不全増悪予防のための支援パンフレットを試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支援プロトコールの作成において、再入院に至る時期から入院中の支援内容を抽出するために、患者の認識に焦点をあてた参加観察ならびに面接調査が必要となり、プロトコールの作成が遅れている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
28年度の前半までに支援内容の抽出を終了し、患者支援プログラム作成のための看護アセスメント・プロトコールを作成する。そして、これらのプロトコールに基づいて支援ソフトを作成し、臨床における試用、修正を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に完成予定であったプロトコールの作成が遅れ、支援ソフトに必要な研究費を28年に使用するためである。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度には、プロトコール完成し、支援ソフトの作成、試行および修正を行うために、これらの研究費を使用する。
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