研究課題
本研究の目的は1)性行動がより活発化する青年期発達障害者の性行動の実態を明らかにすること、2)青年期発達障害者の性に関する対人教育プログラムを開発すること、3)発達障害児・者の性に関する対人教育プログラムの汎用化を図ること、4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することである。今年度は2)を中心に研究を進めた。具体的には職業訓練法人Aセンター職員とミーティングを重ね,性における対人関係プログラムの基礎編のプログラムを開発し試行的に実践した。対象はAセンター訓練生11名であり、プログラムは基盤研究Cで開発したプログラムを発展させた内容で大学生によるピア・エデュケーションを応用した「素敵な大人って?」「恋する気持ちって?」で構成した。実践後はセンター職員との評価会議を開催し、具体的・視覚的教材を用いて,参加型教育を実施することが効果的であり、またセンター若手職員がプログラムに参加することが有用であることが明らかになった。Aセンターでは職員によりその後も継続した実践がなされており、グループ活動、個別指導へと発展がみられる。このように継続した取り組みは全国的にもほとんど実践されていないためその意義は大きいと考える。またここで開発したプログラムは研究者がかかわっている児童精神科外来でも個別セッションとして青年期発達障害者の看護面接で実践している。次年度はAセンター訓練生の性行動、性認識についての聞き取り調査を行い、さらに発展したプログラムの開発を行う予定である。4)については、立ち上げた研究会メンバーを中心に研究会、研修会を5回開催し、その成果をHPで発信した。
2: おおむね順調に進展している
基礎的内容のプログラム開発はほぼ完成している。発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築も継続して行っており、またHPにより研究成果を社会に向けて発信している。
発達障害児の性行動、性認識については自閉症者を中心に調査を行い、その状況を把握しているが青年期発達障害者の研究はまだあまり行われていない。そのため今後は研究目的1)性行動がより活発化する青年期発達障害者の性行動の実態を明らかにして、その結果をもとにプログラム開発を進める予定である。3)発達障害児・者の性に関する対人教育プログラムの汎用化を図ることについては、どのような方策を取るか検討する。4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することについては、今後も研究会を発展させ、よりネットワークを広げていく予定である。
海外からの講師招聘を計画していたが、先方との日程調整がうまくいかなかったため、国内講師に変更した。またプログラム作成費用が消耗品だけで済んだため物品購入をしなかった。
専門家を招いた研修会を企画する。海外文献・教材の取りよせを行う。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://www.nagasaki-sexuality.org/