研究課題
1.青年期にある発達障害者の性認識,知識,経験についての実態調査のための調査票の作成:Marita P. らが開発したSEX KEN-ID(性に関する知識・経験・認識・欲求)の4つの視点を参考にし、調査票を作成した。質問項目は218あり,プレテストは支援者が面接しながら回答を得る方式とした.長時間を要する調査となったが、施設職員がこれまで把握していなかった内容までより詳細に明らかになった.また4つの視点から調査を行うことで、性被害や性暴力などのネガティブな経験、メディアなどによる誤った認識があることが確認できた。今後この調査票をもとに本調査を進め,対象者の実態に即したプログラム開発を目指す.2.障害者の性に対する支援者の認識調査:障害児・者の性発達には、身近な保護者や性発達に関し正しい知識提供・対応を期待される学校教員、福祉施設等の支援者らの認識が大きく影響すると考えられるが,青年期発達障害者の学校卒業後の生活基盤である障害者福祉施設等の支援者に焦点を当てた研究は少ない.また、障害児・者が学校教育卒業後の継続した性発達支援に関する状況は明らかでない。そのため本研究では障害者福祉施設等で障害者に関わる支援者を対象に、独自に開発したスケールを用いて、障害者の性に対する認識及び支援者のニーズを明らかにする。現在の進捗状況としては,国内外の質問紙を参考に調査票を作成し,長崎県内の離島を除く地域5箇所で調査を行い,260人から回答を得ている.今後これらを分析し,支援者から見た発達障害児・者の性行動,関わる支援者の性認識について分析を進め,青年期発達障害者の対人関係プログラムの開発を進める.3.対人関係プログラムの修正と試行的実践:これまで開発を進めているプログラムをさらに精選する.
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は1)性行動がより活発化する青年期発達障害者の性行動の実態を明らかにすること、2)青年期発達障害者の性に関する対人教育プログラムを開発すること、3)発達障害児・者の性に関する対人教育プログラムの汎用化を図ること、4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することである。現在までに,研究目的に沿って概ね順調に研究計画が進捗している.
今後,個別面接によって収集した青年期発達障害者の性行動の実態と青年期発達障害者に関わる支援者の認識,支援者から見た性行動の実態についてのデータを分析して,プログラム開発を進める.さらに分析したデータについて,国内外の研究者との情報交換を行い,発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築するとともに,研究会やHPなどで情報発信する.
国内の成果発表出張が年度末にあたり,別の研究経費(大学運営交付金による研究費)を急いで使用しなければならなかったのでそちらで支出し,科研費分が残額となってしまった.
H28年度の成果発表旅費に使用予定である.
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The 11th ICM Asia Pacific Reional Conference Abstract Book
巻: 1 ページ: 335
巻: 1 ページ: 227
巻: 1 ページ: 324
日本発達系作業療法学会誌
巻: 3(1) ページ: 7-11
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精神医学
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感覚統合研究
巻: 15 ページ: 3-9
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http://www.nagasaki-sexuality.org/