日本版性暴力被害者支援チーム研修開発と看護師の調整能力促進

2015 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26293473
• 研究機関: 茨城県立医療大学
• 研究代表者: 加納 尚美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40202858)
• 研究分担者: 家吉 望み 東京有明医療大学, 看護学部, 講師 (00582248) ; 土居岸 悠奈 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 研究員 (00736853) ; 山田 典子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (10320863) ; 米山 奈奈子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20276877) ; 李 節子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30259072) ; 長江 美代子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869) ; 藤田 景子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60587418) ; 三隅 順子 東京医科歯科大学, その他の研究科, 講師 (80282755) ; 山波 真理 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (80736851)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 性暴力 / 多職種協働 / 被害者支援 / SART研修 / 地域 / 法医学 / 証拠採取

研究実績の概要

海外での性暴力被害者支援においては被害直後の急性期に対応できる看護師は、各関連機関と連携し、調整能力を発揮する事が必要となる。そこで、地域に根差したSART研修を実施し、評価を行うことを本研究の目的とする。また、今後の看護師の活動範囲および活動方法について関係者に意見を伺い、制度設計の資料とする。
1．昨年度のSART研修の逐語録作りとまとめと学会発表
２．茨城県でのSART研修会参加者である。男女を含み、謝礼はない。研究の概要と対象者、募集方法は、HP等と関連施設への広報により募集し、研修参加者にアンケートの回答を依頼した。対象者は、研修参加者20～30名とする。
研修内容は、１）日本におけるSARTの可能性(講師・SANE看護師)　２）婦人科診察の基本（演習含む）（講師：産婦人科医師） ３）病院配備証拠採取キット施策についておよび性的暴行の際の証拠採取についての必須知識 （講師・警察庁＆県警）３）性的暴行に関連する臨床法医学に基づく講義と演習（講師・法医学者）とし、２日間開催した。演習を含めた実践的な内容となった。アンケート結果は、全体として肯定的評価を得た。また、多職種での研修の利点と、実習室を使った実践的な内容の評価を得た。今後１と２を統合させた研修としていく予定である。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、多職種協働の性暴力被害者支援研修を小規模ながら、これまでにない演習を含んだ内容で実施することができたのは大きな成果であった。２地域で行う予定が１地域のみであったことがやや遅れている点である。また、１年目のSART記録整理を行ったが、参加者の発言の同意を得る点で時間がかかった。ほぼ出来上がったので、次年度は冊子にしたいと考えている。

今後の研究の推進方策

SART研修の標準化版を作成し、予定通り、２地域で地域の実態に合わせて、SANEナースを中心に実施することを目標とする。

研究成果

• [学会発表] フォレンジック看護学を勉強してみよう！(入門編)－暴力と健康に関する課題と看護実践について－ (2015)
  • 著者名/発表者名: 藤田景子，加納尚美，家吉望み，米山奈奈子，井箟理江，大屋夕希子，梶原祥子，長江美代子，古澤亜矢子，三隅順子，柳井圭子，山田典子
  • 学会等名: 第35回日本看護科学学会学術集会（広島）2015年12月
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2015-12-05 – 2015-12-06
• [学会発表] フォレンジック看護学－性虐待児への支援の充実を求めて (2015)
  • 著者名/発表者名: 家吉望み，加納尚美，藤田景子，大屋夕希子
  • 学会等名: 日本子ども虐待防止学会第21回学術集会
  • 発表場所: 新潟
  • 年月日: 2015-11-20 – 2015-11-21
• [学会発表] 性暴力対応チーム研修の評価 (2015)
  • 著者名/発表者名: 加納尚美，米山奈奈子，李節子，山田典子，三隅順子，家吉望み，藤田景子，長江美代子，山波真理，土居岸悠奈
  • 学会等名: 第2回日本フォレンジック看護学会学術集会
  • 発表場所: 秋田
  • 年月日: 2015-09-05 – 2015-09-06
• [備考] 日本フォレンジック看護学会 科学研究費助成事業J
  • URL: jafn.jp