研究課題/領域番号 |
26293475
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (70157056)
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研究分担者 |
中村 幸代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10439515)
八重 ゆかり 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (50584447)
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (70297068)
西原 京子 公益財団法人大原記念労働科学研究所, その他部局等, 研究員 (80172683)
篠原 一之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30226154)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オキシトシン |
研究実績の概要 |
本年度は、二つのプログラムの予備研究を実施し、方法論の確立を含め実行可能性について検討した。① 妊娠末期に陣痛発来準備を意図した香りが唾液中オキシトシンに与える影響を調べた。ローリスクの妊娠38週から40週の妊婦に対して、介入群5名、コントロール群6名で分析を行った。その結果、唾液採取方法を確立し、オキシトシン値の分析可能性、オキシトシン受容体遺伝子一塩基多型の測定可能性も明らかになった。また、実験プロトコールに対する妊婦の理解、受容性、安全性についても検討でき、本研究の計画の完成至った。②自然な陣痛の発来を意図した妊娠末期の乳房刺激による唾液中オキシトシン値の変動を測定し、その後の分娩転帰も分析した。ローリスクの妊娠38週から40週までの妊婦16名でプログラムを実施した。その結果、唾液採取の困難事例への対応、乳房刺激を1時間3日間継続することの実行可能性、胎児心拍異常等の発生頻度の実態が明白になり、本研究の計画の完成へとつながった。 また、プログラムを通じて、オキシトシン測定の方法論の確立も行った。 「方法」 ローリスク妊婦(38~40週)27名から、合計326の唾液検体を得た。収集唾液量は1 ml 以上とし、口中に3分間唾液を溜めてもらった後、Saliva Collection Aid (SCA、Salimetrics)を使用し検体容器に流し入れた(流涎法)。液採取後はすぐに凍結し-80度で保管した。測定はアプロチニン添加後(篠原, 2015)遠心分離、Carter et al. (2007)に準じELISA(ENZO)でオキシトシンを検出した(Duplicate assay)。「結果」 オキシトシン測定不能は154検体(A:51%、B:18%)あった。原因は上清量不足による解析不能であった。「考察」測定可能な唾液検体収集の為に、採取量は1.5 ml以上とし、流涎時にストローの使用、唾液採取10分前の飲水。不純物を減らすために実験1時間前までの食事終了・歯磨きの励行、実験直前の含水が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二つのプロジェクトは、ほぼ同じ速度で進行しており、方法論の確立等では相互によい影響を与え合っている。本研究の計画書も倫理審査を通過し、本研究の着手に至った。
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今後の研究の推進方策 |
二つのプロジェクトの本研究のデータ収集が始まっている。オキシトシン値に個人差が大きく、予定対象数での分析で十分かどうかが課題である。データ収集が半分程度進行した時期の中間地点で、データの解析を進めて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、予備研究であったため対象数が少なくオキシトシン試薬や分析費用が予定より少なかった。また、長崎との予備研究についての打ち合わせは、メールや電話で行ったため旅費を使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、予備研究を経て本研究に進むため対象数も多くなるためオキシトシン試薬や分析にかかる人件費等が必要となる。二つのプロジェクトは順調に進んでいるため研究費が必要となる。
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