本研究の目的は、超高齢社会のニーズに合わせたNPの教育と実践の発展に向けて、A.世界のNPの効果指標を渉猟し、B.日本における修了生の配置がもたらす有効性の検証および将来予測シミュレーションを通して、C.我が国のNPに関する政策提言および過去に実施してきた国内初の修士課程高度実践看護師(NP)の教授内容を再検討し、効果的な教育を開発、普及する基盤を創ることである。 平成29年度は、平成26年度から平成28年度までの研究を基盤にして、修士課程高度実践看護師(NP)の教授内容の再検討と効果的な教育モデルの開発を行った。まず、A大学大学院NPコース修了生を対象に、受講した教育課程に関する課題や修了後に職場で求められている能力について明らかにすることを目的とした質的記述的研究を行った。その結果、大学院の教育では、エビデンスに基づく包括的健康アセスメントと医療処置管理の実践能力と共に、マネジメント能力やチームメンバーとの連携能力、倫理的意思決定能力を強化することが求められていた。在学中の講義内容の中でもフィジカルアセスメント、薬理学、病態生理学の内容が重要であった。そのため、これらの講義を収録し、Eラーニングシステムを導入した。これにより、繰り返し学べるので在学生の学力を伸ばすこと、遠距離通学の学生が学習時間を確保できることの2点が強化された。また、修了生のレベルアップのために卒後教育に取り組んだ。Eラーニングシステムを修了生に用い、フォローアップ研修を実施することで、学生時代に学んだ知識の定着を図り、自己学習に役立ててもらうことができた。
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