研究課題
今年度は、平成29年度に実施した高齢者のエンパワメントを促す介護予防事業向け教育プログラムの効果を、質的・量的に分析し検証した。分析方法としては、自記式質問紙を作成し、1回目の直前・直後、2回目の直前・直後、2か月後に記載してもらい、記載内容をKirkpatrick(2006)の4レベルアプローチを参考に、満足度、理解度、行動変容、職場への影響の観点から学習効果を検討した。その結果、研修会の満足度と理解度は高かった。ガイドの活用は約半数であった。自身の実践の変化を感じた者は約7割であり、講義のあとにグループワークを実施したことによって、理論を実践に結びつけることができたのではないかと考えられた。一方、職場の実践の変化は約2割であったことから、より学習効果を高めるためにはガイドをユーザビリティの観点から見直し、職場への波及を促すプログラム内容の強化が示唆された。量的な分析としては、研修前、研修直後、2ヶ月後の3時点で、7項目21指標からなる支援指針について重要と思う程度・実践できる程度を各4段階で評価してもらい、 研修前後の比較はFriedman検定、保健師資格の有無と介護予防事業従事経験5年以上・未満の比較はMann-WhitneyのU検定を用いて検討した。その結果、6項目に含まれる10指標(48%)で「実践できる程度」は有意に高まり研修会の効果が確認できた。特に<多様な人(ボランティア等)との交流を促す>は「重要と思う程度」も有意に高まっており最も効果のある内容と考えられた。<プログラムの効果を参加者が実感できる工夫をする>を「重要と思う程度」は有意に高まったが、「実践できる程度」は介護予防事業従事経験5年以上の者が‘2ヶ月後’に有意に高かった。このことから、有する資格や経験年数に合わせたプログラム内容・方法の調整等で学習効果をより高められる可能性が考えられた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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