研究課題
高齢化に伴い生活習慣病が増加しより若い年代からの効果的な予防対策が求められている。平成20年に開始したメタボリックシンドローム予防・改善を目的とした特定保健指導制度では、積極的支援と動機づけ支援という保健指導投入量の異なる2種の保健指導が実施されている。その費用は高額であるが、効率的な保健専門職の活用という観点では検討されていない。本研究はメタボリックシンドロームのリスクファクターを持つ20歳代~60歳代までの男女を対象に保健指導を実施し、特性に応じた経済的効果の高い保健指導を提案することを目的とした。保健指導の対象者は、従業員が約1,500人の自動車部品製造会社の男性労働者の内、2016年度の健康診断で、BMIが23以上、腹囲が85㎝上、HbA1cが5.6%以上、収縮期血圧が140以上あるいは拡張期血圧が90以上のいずれかに該当する者を抽出し、150名に参加を呼びかけ、初回と3回目の保健指導と評価に参加したものを分析対象者とした。分析対象者は120名であった。平成27年度も同様に実施したが、血圧の上昇がみられたため、血圧計を同一形式のもの2台に限定した。その結果、昨年同様に体重では平均0.99㎏の減少が見られたが、最高血圧で増加傾向であった。体重減少と年代や参加時の生活状況を見ると、40歳未満/40歳以上では若いもので、また保健指導前の食生活が悪かったもの(間食、夜勤後の食事後の就寝など)において体重減少が有意に多かった。つまり、若い者で生活習慣が不良のものを対象に保健指導を行うことは費用対効果もよく、また保健指導の意義もあると考えられた。最高血圧の上昇については、今回の保健指導が職場で行われていることの影響も考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。