研究課題/領域番号 |
26293490
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹代 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (00328163)
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研究分担者 |
本間 真理 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90423780)
濱 雄亮 慶應義塾大学, 文学部, 講師 (60739126)
高橋 奈津子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (10328180)
城丸 瑞恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性痛 / 病いの語り / 医療情報 / 医療社会学 / リハビリテーション看護 / 看護教育学 / 臨床看護学 / 地域看護学 |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度に引き続き対象者募集を行い、インタビューデータの収集を継続した。メディア(全国版新聞・地方版新聞)および、認定特定非営利団体(NPO)健康と病いの語りディペックス・ジャパン(以後、DIPEx-Japan)のホームページへ掲載、研究会や関連学会で「研究協力へのお願い」冊子を配布し想定人数を超えた協力者を募ることができた。 現在まで「慢性の痛みを持つ人」22名(原因:腰痛、リウマチ、線維筋痛症、三叉神経痛、頭痛、性別:男性5名 女性17名、平均年齢55.3歳、平均疼痛期間14.4年)、「慢性の痛みを持つ人の家族」5名(性別:男性1名 女性4名、平均年齢52.8歳)の映像と音声によるインタビュー収録と、全症例の逐語録作成が終了している。そのうち、対象者に逐語録を郵送し、削除箇所の確認をし、データベースとして22名分の映像もしくは音声データ使用の承諾を得ている。そのほかの逐語録データは送付準備中もしくは、対象者による内容の確認が進行中である。インタビューデータの分析は、インタビュー調査者5名により、質的分析ソフトMAX-QDAを用いデータコーディングを行い、その後インタビュー項目の追加など検討を進めながら行っている。 研究者間の調整は、インタビュー対象者の確認およびデータ分析、情報交換を目的とし計7回の会議開催および、1回/月開催されるDIPEx-Japanの会議で定期的に実施した。そのほか、年間を通しメールや電話を用い、研究者同士で頻回な連絡・調整を行い研究の推進を図った。 研究分担者(本間)、連携研究者(森田、瀬戸山)、研究協力者(別府、佐藤(佐久間)、射場)らとDIPEx International(http://www.dipexinternational.org/)に参加し、他国の先行研究や、本研究におけるデータベースの活用に関する有用な情報収集ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が年度内に所属機関を異動したため、異動先の倫理審査を再度申請し承認を受けたのちデータ収集を再開した。 そのため、約3ヶ月間インタビュースケジュールに変更が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
対象者の多様性を確保するため、昨年度の計画に引き続き、地域・年齢・性別・疾患名( 疼痛の原因となった疾患 )治療法などの差異に注目して、映像と音声によるインタビューを実施する。 調査と並行して、データの継続的比較分析を用いて横断的に分析し、特徴的なトピックや問題点を抽出する。今後は、定期的なリサーチャー会議に加え、アドバイザリー委員会の開催も予定し研究班全体の情報共有を通して、適切な研究を遂行する。 全国に亘るインタビュー調査になるため、日時やルートの調整を引き続き行い、経費の削減と研究に費やす時間を調整することで、効率良くインタビューを実施しインタビュースケジュールの遅れを取り戻し、期間内に遂行できるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が所属機関を異動したたため、倫理申請に要した期間のインタビューが実施されず、それに関わる逐語録作成委託費、通信費および諸経費の支出が減ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、11名のインタビュー協力者 ( 脊髄損傷後疼痛、線維筋痛症、頚椎ヘルニア:自己申告診断名 他)とすでに連絡がついており、予定通り順次インタビュー調査を実施することで、次年度使用予算を支出することが予測される。
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備考 |
すでにWEB上で構築されている「乳がんの体験の語り」を用いて、語りを解釈し映像を情報源とした教育的活用方法について提示できた。今後、WEBによる「慢性の語り」データベースが構築されたことを予測し、一般に公開されている映像によるインタビューデータを活用した研究の活用可能性について検討できた。
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