研究課題/領域番号 |
26300005
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柏谷 健二 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (30161029)
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研究分担者 |
長谷部 徳子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (60272944)
遠藤 徳孝 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (60314358)
福士 圭介 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90444207)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 突発的環境変動 / 気候システム移行期 / 人為的環境変動 / 地表部の応答 / 東アジアの湖沼 |
研究実績の概要 |
突発的環境変動とその地表部の応答を明らかにするために、氷河・豪雨・地震・火山等に起因する堰き止め湖等を主たる対象として、その形成そして突発的な決壊・洪水を長期環境変動という観点から捉え、そのプロセス・ 推移を解明する。主たる調査対象地は、堰き止め湖の形成と決壊を繰り返し、日射量による気候変動に敏感なモンゴル高原の湖沼とその流域である。比較対象として豪雨・地震・人為よる突発的な変動がみられる台湾の湖沼とその流域を取り上げる。そこでは、水文気候システムの変動、特にその移行期(最終氷期-後氷期、中世温暖期-小氷期-現在)に多発する突発的現象を解明し、今後の環境変動とそれら突発的現象の発生の関係を明らかにする。さらに、東アジアの他地域の湖沼と比較することにより、その対応に資する情報の集約を進めるとともに地球環境変動における位置づけの確立を行う。 平成27年度には以下の調査研究が実施された。 1.モンゴル中南部、オルゴイ・ブンツァガン・オログ湖における流域の調査、コア試料の採取、流入水・湖沼水の採取を行った(日本・モンゴル・韓国との共同調査)、1)オルゴイ湖では水位計とセディメントトッラップの設置を行った、2)採取試料の分析を進めた(採水試料の分析はすべての湖沼、採泥試料の分析はオルゴイ湖).研究項目は以下の通り:古気候変動と物理量・流域解析;、年代、水質分析、堆積物無機分析。2.台灣南部・東源湖(比較対象地)ではコア試料の採取と分析を行った(日本・台湾との共同調査).研究項目は以下の通り:古気候変動と物理量・流域解析、年代、堆積物無機分析。3.比較対象地の日本・大沼で資料収集・概査を進めた。4.モンゴル北部ダラハド湖;これまでに採取された堆積物試料の整理と分析を進めた(DDP10-1,DDP10-2、DDP10-3)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モンゴル国内で使用した自動車の故障やそれに伴う参加者の体調不良等があり、順調な進展が危ぶまれることがあったが、予定通りに調査と機器設置・資料採取が進み、平成27年度の野外調査を無事終了することができた。また、台湾での調査も順調に終了した。試料の分析・解析においてはモンゴル、韓国、台湾の研究者が来日し、共同で作業が進められ、分析結果が滞りなく得られている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の現地調査はこれまでの研究の進捗状況を踏まえたものになるが、モンゴルでは昨年から継続している観測を中心に補足的な流域調査・試料採取を進める。また台湾ではコア試料の追加と水質試料の入手を行う。これまでに得られた結果の一部は今年の秋に沖縄で開催されるユ-ラシア東部国際ワ-クショップでの公表を予定している。また、年度末には共同分析・共同討論会を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析計画に従って対応分取コア試料数(計画サンプル数)を年度内に終了させる予定であったが、計画数が終了しなかったため、使用予定の金額の一部を次年度に繰り越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
未分析のサンプル数の分析を遂行するために、次年度使用額を謝金・消耗品等に充てる予定である。
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