研究課題
突発的環境変動とその地表部の応答を明らかにするために、氷河・豪雨・地震・火山等に起因する堰き止め湖を対象として、その形成そして突発的な決壊・洪水を長期環境変動という観点から捉え、そのプロセス・推移を解明した。調査対象地は、東北アジアでは氷河や土砂による堰き止め湖の形成と決壊を繰り返し、日射量による気候変動に敏感なモンゴル高原の湖沼とその流域である。ここでは、水文気候システムの変動、特にその移行期(最終氷期-後氷期、中世温暖期-小氷期-現在)に多発する突発的現象を解明し、今後の環境変動とそれら突発的現象の発生の関係を明らかにした。そして、東アジアの他地域(台湾・日本等)の湖沼と比較することにより、その対応策に資する情報の集約を進めるとともに地球環境変動における位置づけの確立を行った。平成28年度は以下の調査研究が進められた。1.資・試料分析:採取資料の物理量分析(Cs-137、Pb-210を含む),年代決定,同位体・有機・無機,画像・地形資料の解析2.流域調査(流域の地形等に関する現地補足調査):8月;ガンガ湖・オルゴイ湖・ブンツァガン湖・オログ湖流域(モンゴル).6月;東源湖流域(台灣)3.湖沼・流域の試・資料の補足的な入手:これまで採取した資・試料の分析・解析と補足的試・資料の入手・分析・解析。試・資料の系統的な統合化と湖沼-流域系環境変動モデルの検討4.総括・報告書の作成;資・試料の分析・解析結果と系統的な構築された資料に関して総合的な検討および報告書の作成5.国際ワ-クショップの開催(2016年10月);本調査・分析結果等に関する報告や、ユ-ラシア東部で進められている湖沼堆積物情報の報告を中心とした国際ワ-クショップを開催し(日本・沖縄),突発的環境変動の契機・要因やその推移に関する研究交換を進め、気候システムの移行期における総合的な考察を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
Quaternary International
巻: 397 ページ: 307-316
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 3:28 ページ: 1-11
10.1186/s40645-016-0102-9
地形
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