研究課題
本研究では、アジア各国の中等教育の現場で、国毎にどのような地理的知識・技術・考え方が重視されているのか、とくに自国の地誌や日本を含む主要な国との国際関係についてどのような観点を重視して教育を行っているかを明らかにすることを目的とした。最終年度は各担当者が、担当国の教育システムの中で中等教育がどのように位置づけられ、その中で地理がどのように取り上げられているかを概観し、その上で主に後期中等教育における地理教育にどのような特徴が見られるかについて、日本との比較を意識しながら検討した。中等教育における地理教育の位置づけには国毎に様々な違いがあるものの、後期中等教育段階で科目としての地理が独立しておらず、社会科の中で取り上げられているパターンと、地理として独立した科目として教えられているパターンに2分されていることがわかった。ただし後者の場合でも、必修科目としてではなく、進路に応じて選択したコースの中で地理が履修可能な科目として位置付けられている場合が多いようである。内容的に見ると、自然地理の分野で、太陽系や地球の運行に関する地学的な内容にまで踏み込んで取上げられるとともに、地形や気候に重点が置かれている国が多いという特徴が見える。土壌や植生に関する取り上げ方の少ない国が多いが、シンガポールのように、むしろそのような分野にかなりのウエイトをかけて取り上げている国もあることがわかった。また太陽系や地球の運行に関する内容など、日本では地学の教科書で取り上げられる内容にまで踏み込んで取り扱われている国が多いのが印象的である。一方、人文地理や地誌的な内容については、かつて日本の中学校学習指導要領の「世界の諸地域」の取り扱いで、自国との関係性等を考慮して取り上げる地域を重点化する、という方針と通じるものが見えたのは興味深い。以上のような諸点から、最終報告書を取りまとめ中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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広島大学現代インド研究
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Journal of Agroforestry and Environment
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広島大学現代インド研究-空間と社会-
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