研究課題
本研究の目的は、地域社会の持続的開発のための「万能薬」として急速に普及している「住民参加型観光(コミュニティ・ベイスド・ツーリズム)」が、アフリカ各地の少数民族(マイノリティ)の直面する問題解決にいかに寄与し、一方で新たな問題を生じさせているのかを、地域間比較によって解明し、観光業からの離脱・再接続さえも可能な弾力性のある「住民参加型観光」の新たなあり方を検討することである。本年度は、南部アフリカにおける少数民族コミュニティの観光に関する最新動向を追う追加調査がなされた。これによって、とくにコミュニティの外部から観光事業に関わるアクターに関する考察が深められた。また研究成果の発表のために、数回の研究会が開催された。これらの研究会の場では、アフリカにおける住民参加型観光の特徴、可能性や問題点などについて、地域間の比較を交えながら、深く議論された。その結果は、アフリカ学会などでの口頭発表に加えて、研究代表者・分担者全員が各々の論文を執筆し、アフリカ学会の「アフリカ研究」92号の特集「アフリカにおける「住民参加型観光」─「生活の場」からの再検討」としてまとめて発表された。さらに研究会では、アフリカにおける世界遺産観光をめぐる動向に詳しい研究者を招聘し議論を深めた。こうした活動によって、グローバルな観光現象のなかにアフリカ観光を位置付けることについても検討することができ、今後の研究の進展につながる論点も見出された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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