研究課題
本研究の目的は、中米グアテマラ共和国のセイバル遺跡の都市周辺部に住んだ支配層と農民の計8基の住居跡とその周囲に広範な発掘区を設定して層位的発掘調査を実施し、多種多様な出土遺物の詳細な分析を通して、古典期(後250~1000年)に先立つ先古典期(前1000~後250年)のマヤ人の日常生活と社会経済組織の基礎的研究を推進することである。支配層と農民の住居跡を全面発掘し、土器、石器、その他の全ての出土遺物を分析対象とする。青山が担当する石器の分析では、石器の属性分析を行い、高倍率の金属顕微鏡を用いて石器の使用痕を分析した。支配層と被支配層が製作、流通、消費した様々な遺物の時間・空間分布を研究して、まだ十分に解明されていない先古典期マヤ人の日常生活と社会経済組織に関連する基礎的かつ実証的なデータを収集していく。都市全体における先古典期マヤ人の日常生活と社会経済組織に関連する多種多様な基礎的かつ実証的な考古学データを互いに検証し、学際的な研究を行うのが本研究の特色である。住居跡及びその周囲に広範な発掘区を設定して、マヤ低地最古の先古典期中期、さらに地山の無遺物層まで層位的発掘調査を行うのが、本研究の独創的な点である。マヤ研究の現状と課題を明らかにするために、4人の外国人研究者を招聘して国内のマヤ研究者と共にマヤ研究の国際セミナーを日本文化人類学会50周年記念国際研究大会(国際人類学民族科学連合IUAES 2014 合同開催)のパネル「the Future with/of Maya Anthropology」として5月に主催し、マヤ文明の石器研究の現状と課題に関する研究発表を英語で行った。
2: おおむね順調に進展している
セイバル遺跡の発掘調査と出土遺物の分析を、当初のほぼ予定通りに行うことができたため。
海外研究協力者と共同で多様な出土遺物の分析を5年間にわたってこつこつと推進して、研究成果を論文や研究書としてまとめる。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 14件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件) 図書 (3件) 備考 (1件)
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