研究課題/領域番号 |
26300025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 一部基金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
青山 和夫 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (70292464)
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研究協力者 |
猪俣 健
ピンソン フローリー
パロモ フアン マヌエル
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 考古学 / 人類学 / 先古典期マヤ文明 / 社会経済組織 / 交換 / 宗教儀礼 / 戦争 / 比較文明論 |
研究成果の概要 |
グアテマラのセイバル遺跡の発掘調査で出土した86,694点の石器の研究を通して、マヤ文明の交換、ものづくり、宗教儀礼と戦争という政治経済組織の一側面を実証的に明らかにした。セイバル遺跡の公共広場で繰り返し慣習的に行われた公共祭祀という反復的な実践は、集団の記憶を生成し、中心的な役割を果たす権力者の権力が時代と共に強化された。初期支配層は地域間交換に参加して、黒曜石や翡翠のような重要な物資、観念体系や美術・建築様式などの知識を取捨選択しながら権力を強化した。公共祭祀を形作り物質化したイデオロギーは、地域間交換や戦争など他の要因と相互に作用してマヤ文明の支配層の形成に重要な役割を果たした。
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自由記述の分野 |
人類学としてのマヤ考古学・比較文明論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古典期マヤ文明に先立つ先古典期マヤ文明(前1000-後200年)の起源と発展の過程は、まだよくわかっていない。先古典期中期(前1000-前350年)は、マヤ文明の起源と発展を解明する鍵となる。本研究はその社会全般と主要利器の石器に関する実証的なデータを提供する。これまでほとんど実施されていなかった古典期中期の遺構の大規模で層位的な発掘調査によって、詳細な出土状況や遺構の性格を明らかにした。旧大陸との交流なしに独自に発展したマヤ文明という一次文明の比較研究は、文明とは何か、文明はなぜ、どのように興り変化したのかについて、旧大陸や西洋文明と接触後の社会の研究からは得られない、新たな視点を提供する。
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