本研究は、古典期マヤ文明の王権の発展過程を文明の中心地であるグアテマラ・ティカル遺跡と、ティカルと同等の1次センターでありマヤ文明圏で最も南東に位置するホンジュラス・コパン遺跡の周縁地域に存在し、コパンの2次センターと考えられるエル・プエンテ遺跡の調査研究を通して追求するものである。 両遺跡ともに、与えられた資金の範囲内で可能な発掘調査を実施し、王権成立後の文明の発展過程において中心から周縁センターへのエリート層の移民が重要であったことをを示すデータと同時に、エル・プエンテにおいては周縁センターの独自性を示すデータも得られ、両地域の相互関係の解明に大きな示唆を与え次期研究計画へつながった。
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