研究課題/領域番号 |
26300035
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松村 圭一郎 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40402747)
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研究分担者 |
曽我 亨 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00263062)
藤本 武 富山大学, 人文学部, 教授 (20351190)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 教授 (70364106)
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (70613579)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 経済人類学 / 移住政策 / ランドグラブ / アグリビジネス / 開発援助 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、5月にクロアチアで開催されたIUAES(国際人類学民族科学連合)の中間会議にて、研究代表者と分担者3名とがパネル"Aid and Investment: Anthropological Engagement in Market and Non-Market Globalization on the peripheries of East Africa"を組んで、これまでの研究成果を発表した。 発表準備や発表後のフロアとの議論などをとおして、それぞれのフィールド調査の関連性やその知見の重要性を確認することができた。とくにそれぞれの地域で、開発援助と経済投資/経済活動との関与の度合いには大きな違いがあり、かならずしも経済投資が開発援助と結びつきながら、双方が展開していくという当初の想定のような図式に当てはまらない状況がみえてきた。たとえば、政府の移住政策の「失敗」が予想外の展開をみせて、従来とは違う土地利用形態が進展したり、食肉の国際交易の拡大が、あらたな民族間の協力関係を促進する事例など、興味深い研究成果がでている。また開発政策のなかで、「脆弱さ」を強調する言説が流布する一方、それとは異なる現地の人びとの多様な実践が観察される事例が報告されている。 今後は、さらに現地調査を継続しながら、最終年度に向けて、具体的な事例の分析を進め、それぞれの調査地の知見からどのように一般化可能な理論的考察ができるか、議論を重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際学会での研究成果の発表、現地調査の継続など、おおむね計画通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
エチオピアでは、反政府デモの激化などを受けて、昨年10月に非常事態宣言が出され、現在も継続中である。治安等は安定しているものの、現地の情勢についての情報収集をしながら、慎重に調査を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の用務との関係で現地調査の期間を短縮したため、多少、残余が出たものの、おおむね計画通りの執行ができている。
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次年度使用額の使用計画 |
現地調査にかかる費用は為替や航空券代などの変動、調査期間の増減などで見込みとは異なる場合があるものの、研究遂行のための着実な現地調査の実施を進めていく予定である。
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