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2016 年度 実績報告書

東アジアにおける政治情報の研究-韓国・台湾のネット選挙キャンペーンを事例に

研究課題

研究課題/領域番号 26301012
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 竜大  金沢大学, 法学系, 准教授 (80632827)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードインターネット / キャンペーン / 選挙
研究実績の概要

質的な成果としては実施したインタビューのとりまとめである。その結果、選挙キャンペーンとネット、ICTの関りが深まっている面が指摘されるインタビューに応じてくれた議員、スタッフによれば、過去の敗北からICTを利用した情報提供に積極的になり、欧米の経験も参考にしながらネットワーク型の情報提供網を活用している。組織として、スタッフの登用は正規職員、プロジェクト型で分けられるが、そのつながりは緩やかに連携するものあり、選挙などのイベントの終了後直ちに断たれない。ひまわり運動以降若い人々の参加も多くなっている。
政党や議員レベルにおいも、情報、政治キャンペーンと技術(導入、活用)の関係は強まっている。今回の調査はデータの外注・分析、フィードバック及び相互作用に注目した。各陣営の相違を超えて、ソーシャルメディアの利用により陣営内の既存の活動との融合を図る点が特徴的である。様々な判断基準が存在する環境下で、各陣営の最終判断が候補者を中心になされていたという点も組織型-個人型選挙キャンペーンの特徴をとらえる上で興味深い。また、強力な対抗馬がいる地域で出馬した候補者は、相手が自分たちと類似した活動を行っても釣果を上げられなかったとコメントした。この点は、二番煎じの対応、演出では、全体としての「風向き」を変えにくいことを間接的に物語る。
もちろん課題もある。専門性や分業化が進む政治情報の管理体制下における最終判断が最も注目される。議員・候補者に比較的近い人々で運営、判断は本人という布陣に対して、今後階頭制による党本部の情報フォローが強まる場合、選挙戦略へその影響は十分に考察できなかった。
また量的な分析については、台湾・韓国の選挙前後の状況として、動画の閲覧状況を記録していた。これについては更なる分析が必要であるが、動画の再生回数のピークは、アップ後早い段階で登場する点が指摘出来そうである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

韓国におけるインタビューを試みる予定であったが、同国における政治情勢に大きな変化が生じたことにより、実施が難しい状況に直面した。そのため、この部分に関する準備、調整が進まない状況にあったため。

今後の研究の推進方策

今年度の取組として、以下の点に留意して進める。昨年度実施できなかった韓国の国会議員や関係各所におけるインタビューを実施したい。昨年下期に起きた事件の余波の関係上、同国の政界における状況が一変したため、調査時期の延期を検討せざるを得なかったためである。もちろん、これに関して、安全保障の状況よる留意点はいくつかある。そのため状況を見極めながら、研究目的の質的分析、実証性を高めるために積極的に検討する。次に、データ分析の推進が挙げられる。これまでに収集されたデータの解析を進め、当時のメディア環境と有権者の関係に迫りたい。次に、取り組みを考えている点は、韓国・台湾の研究支援者との合同会議である。このスタイルについては、今後調整を図っていく。ただし、この実施を実現するにあたっても、様々な外部からもたらされる阻害要因が存在する。それらを留意しながら、状況を見極めながら、準備していきたい。この機会を利用しながら、関係各位と調整をはかり、さらなる精緻な分析をすすめ、報告書、他の成果物に結実するよう努力したい。

次年度使用額が生じた理由

別途記したように、韓国における政治状況を踏まえ、インタビュー調査が実施できなかった点が上がられる。また、韓国、台湾の研究関係者との合同会議も想定いたが、その実施に至らなかった点が挙げられる。

次年度使用額の使用計画

上記の状況を踏まえ、インタビュー調査、合同会議を進める予定を想定している。そのため、本年度計上しているように、海外旅費をはじめとする諸経費などで、支出が行われると想定される。

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公開日: 2018-01-16  

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