平和構築における法の支配の制度化と現地社会オーナーシップの発展について総合的な検討を加えた研究である。アフリカの紛争後国の中からシエラレオネ、アジアにからはスリランカをとりあげた。第一に、本研究は、普遍化した自由主義的価値規範を思想的基盤とした現代国際社会の秩序が、世界各地で直面している困難を体系的に示した。第二に、政治社会の段階的発展論の視点を導入し、単なる地域的・文化的差異に還元されない発展段階論からの普遍主義への挑戦の意味について検討した。第三に、世界各地の紛争後社会で実施されている平和構築の政策を、さらに充実させていくための指針を、学術的に提示することを試みた。
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