研究課題
本研究の目的は、フェアトレードによる多様なインパクトを評価するとともに、その地域間比較を行うための評価枠組みを検討することである。フェアトレードのインパクトはきわめて多様であり、またその影響の及ぶレベルも多岐にわたっている。フェアトレードのインパクトは生産者だけでなく、消費者にも及ぶ。本研究のもうひとつの目的は、そのインパクトを「徳の経済」の観点から評価することである。本年度はおもに生産者側のインパクト評価に重点を置いた。対象地域はサブサハラ・アフリカ(南アフリカ、タンザニア)、ラテンアメリカ(ベリーズ)、アジア(タイ、ラオス、インドネシア)である。生産者として想定されているのは通常、小農民、農村手工芸者、農場労働者などであるが、本年度は東インドネシアの零細マグロ漁業を対象にしたフェアトレードに関する調査も行った。またこれまでの研究に基づいて牧田と鶴田がフェアトレードと有機農業に関する英文の単行本を刊行した。これらの地域での実態調査や研究成果を踏まえ、評価枠組みの検討を行った。それは直接的インパクトと間接的インパクト、経済的インパクトと非経済的インパクト、インパクトの空間レベル(個人、家族または世帯、地域社会)からなる。その妥当性を検討するために、イギリス、アメリカ(2名)、ラオスからフェアトレードの研究者を招き、公開の国際シンポジウムを開催した。具体的な指標の策定にまでは至っていないが、たとえばtime povertyといった従来の研究では考慮されてこなかった指標の有効性が指摘された。またインパクトを評価する際に、DFIDが提唱した5つの資本論(自然、社会、人的、物的、金融)の有効性も確認できた。今後はインパクト指標の具体化とその実用性、操作性について研究を進める必要がある。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (5件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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