国内の結婚件数が減少する中、日本人の結婚の29組に1組が国際結婚となり、14組に1組は離婚に至っている。国際離婚の際の子どもの扱いを定める「ハーグ条約実施法」が2013年に可決されたが、海外での日本人の国際離婚の実態は明らかにされていない。本研究はアメリカ在住のアメリカ人夫との離婚済み・調停中の日本人女性に夫婦関係継続困難に導いた夫婦間葛藤について聞き取り、国際離婚を引き起こす心理的要因を質的に明らかにすることを目的とした。同国人同士の離婚と同様の要因とともに、現在までの分析では国際離婚特有の要因として、①海外移動に伴う夫婦関係の変容と②宗教的文化実践をめぐる夫婦間葛藤が析出されている。
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