研究課題
本年度は,全国研修会への参加を契機にして,オンライン交流が広がる様子を調査することにより,研修会へ参加していない教員への繋がりの展開について分析,考察した。まず,タイ国首都バンコクで教育省が主催して,実施した中央集中型の現職教員再研修会でtwitterのハッシュタグを全員の参加票に表示すると同時に,各研修室でのアナウンスも行い公開した。研修会には1,000名を超える地域代表者の参加者がいた。研修を機会にした居住地の異なる教員間の交流の拡張,各地域の研修へ参加できなかった教員への普及効果について,APIを使ってデータを取得し,ソーシャル・グラフ理論を用いて分析した。その結果9つの媒介インフルエンサーと8つのハブ・インフルエンサーを抽出した。一方,タイ国の地域で開催された現職教員再研修でtwitterのハッシュタグを公開し,研修を機会にして広がる居住地の異なる教員間の交流についてソーシャル・グラフ理論を用いて分析した。その結果6つのブリッジ・インフルエンサーと2つのハブ・インフルエンサーを抽出した。また,2つのノードが中央研修のグラフと繋がっていたことを解明した。さらに,これらの中間研究成果を,国際学術会議,海外学術雑誌にて公開することができた。なお,国際会議成果報告のうちの2編について,受賞を受けている。また,将来本研究で得られた知見を日本のICT教員研修戦略に応用する際の基礎資料として,日本の教員を対象にしたICT教育環境についての調査も実施することができた。
2: おおむね順調に進展している
教員間の交流の広がりが,組織的対応,個人的対応に関わらず,同程度の規模になることは意外であったが,詳細なデータ解析によりハブと,ブリッジを抽出する狙いは達成されており問題ない。
地域の研修担当者へのインタービューや地域資料収集を行い,ICT教員研修の展開戦略策定に活用可能な具体的な観点を抽出したい。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
Advanced Science Letters
巻: Vol.21, No.7 ページ: 2390-2395
10.1166/asl.2015.6285
Journal of Industrial and Intelligent Information (JIII)
巻: Vol.3, No.4 ページ: 314-317
10.7763/IJIET.2016.V6.749
Advanced Science Engineering and Medicine
巻: Vol.7, No.7 ページ: .550-556
10.1166/asem.2015.1728
http://www.hrd.e.chiba-u.jp/wiki.cgi/lab