研究課題/領域番号 |
26301035
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 雅巳 千葉大学, 教育学部, 教授 (80221670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教育学 / ソーシャルネットワーク / 教員研修 |
研究実績の概要 |
タイ国教育省と共同して収集した,全国研修会の参加者のオンライン活動記録を基にして,各参加者の所属するオンラインコミュニティの同定と,その特性の解明を行った。 ①調査対象:首都で実施された全国研修会およびチョンブリ県で実施された地域研究会:各研修会を基に収集した所属コミュニティの同定では,数件の重なるグループが抽出されたが,一致度は低かった。同領域の研修会であっても,カスケード構造がない研修会間でのコミュニティとの関連性の実態が判明した。全国研修会参加者を契機にして,地域に展開する教員グループへアプローチするための施策を立案するための基礎分析を行った。グループ間の交流を繋ぐ媒介者(bridge)を5つのタイプに分け,地域の教員グループを対象にする際の有効な媒介者のタイプの選定とアプローチのストラテジーについて考察した。また,成果から得られた知見を日本の現職教員の免許法更新講習のテキストに盛り込み最新の知見として紹介できるようにした。 ②国際会議での中間報告:本研究の中間研究成果の国際会議での報告(2件)と,本研究と関連した研究成果,派生した研究成果の国際会議での報告(4件)を行った。 ③海外共同研究者との連携活動:海外の共同研究者(組織)と連携して地域での教員能力再開発の課題,ICT担当教員の相互交流状況,ソーシャルネットワーク普及・利用の状況,ソーシャルメディアの教育業務での活用状況について資料収集・聞き取り調査を行った。その結果,日本と比べると,業務でのソーシャルネットワークの利用が盛んである反面,教育統計資料・情報公開資料など教員が判断・意思決定を行うために役に立つ公的機関の情報が限られていた。一方,タイでは民間機関から発せられる教育情報が潤沢で,そのため教員のオンラインコミュニティでは,教員以外の民間企業で働くユーザーを含んで教育に関したグループを形成していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初チェンマイの研修会を調査対象としていたが,チョンブリで適切な研修会が開催されることが海外共同研究組織より紹介され変更した。資料収集は順調に行われ問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
収集データに基づく分析により,具体的な地域教員集団へのアプローチの戦略を提案したい。 タイ国の国情不安定のために海外共同研究者の招聘が実現できていない。先方と調整の上実現し,意義ある議論を深めてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が国際調査,国際会議報告等に活用できるほどの金額でなかったため,次年度に繰り越し,併せて有効に活用したかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の旅費と併せて使用する予定
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備考 |
2016年度参照
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