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2015 年度 実績報告書

PISA後のドイツにおける学力向上政策と教育方法改革

研究課題

研究課題/領域番号 26301037
研究機関大阪青山大学

研究代表者

久田 敏彦  大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (70135763)

研究分担者 中山 あおい  大阪教育大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00343260)
清永 修全  東亜大学, 芸術学部, 教授 (00609654)
熊井 将太  山口大学, 教育学部, 講師 (30634381)
高橋 英児  山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40324173)
吉田 茂孝  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60462074)
大村 眞依子 (渡邉眞依子)  愛知県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60535285)
藤井 啓之  日本福祉大学, 経済学部, 教授 (70253044)
吉田 成章  広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70514313)
樋口 裕介  福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80587650)
辻野 けんま  上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80590364)
高木 啓  千葉大学, 教育学部, 准教授 (90379868)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードドイツ / PISA / 学力向上政策 / 教育方法改革
研究実績の概要

本研究の目的は、PISA後のドイツの学力向上政策を、福祉的側面を含んで、国家・州・実践レベルにおける展開状況から明らかにするとともに、そこでの教育方法改革の特徴を析出し、日本にいかなる示唆が得られるかを究明することにある。本研究の2年目にあたる平成27年度は、鍵となる「Bildung」「コンピテンシー」概念の検討を行うとともに、ドイツ各州の「低学力生徒の促進戦略」の進捗状況をまとめたKMKの報告書を各州に即して前年度よりもより詳細に検討した。
そのうえで、3月には、前年度で調査しえなかった州・市の教育関係機関・学校を訪問し、実態把握に努めた。具体的には、次のとおりである。①ハンブルク州IfBQ(教育モニタリングと質開発研究所)を訪問し、ハンブル独自の学力テストであるKERMITに関するインタビュー調査を実施した。②学校賞を受賞したハンブルクのエーリッヒ・ケストナー学校への訪問インタビューを実施するとともに、実際の授業の観察・分析を行った。③ブレーメン教育省を訪問し、ヴァイデ氏とクレム氏にインクルーシブ教育ならびにPISA後のスタンダード化・質開発に関する聞き取り調査を実施した。④ブレーメンの基礎学校と総合制中等学校のそれぞの授業観察・分析を行った。⑤ビーレフェルト実験学校を訪問し、プロジェクト週間の実践観察と同校のPISA後の教育に関する聞き取り調査を実施した。⑥ビーレフェルト大学ZIP(学際研究センター)にてノルトライン・ヴェストファーレン州の教員研修の内実に関するインタビュー調査を行った。⑦ミュンスター大学のテアハルト教授に対してPISA後の授業改革などに関わってインタビュー調査を実施した。
以上の研究を遂行するために、計4回の研究会をもった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究2年目にあたる本年度は、ドイツ北部と西部を中心にして実態調査に赴くことを計画し、当初の計画通りに調査を遂行することができた。また、ビーレフェルト大学のテアハルト教授にPISA後の授業改革の動向に関して長時間にわたってインタビューしえたこと、ビーレフェルト実験学校の実際の取り組みを観察するとともにPISA後の教育に関する同校の見解を聞き取れたことは、当初の計画を超えて、大きな成果となった。
さらに、各州における「低学力生徒の促進戦略」の進捗状況をより詳細に整理するとともに、「Bildung」「コンピテンシー」概念を一般教授学と芸術教育の領域から検討しえたことも2年目の成果として挙げることができる。
なお、今年度は当該研究テーマに関わって研究分担者5名が、各自個別に学会発表を行った。

今後の研究の推進方策

これまで2年間にわたりドイツ北部、南部、東部、西部における教育関係機関・学校訪問を行い、学力向上政策と教育方法改革の実態を調査してきたが、次年度は、研究の最終年度もあり、未調査であり、かつ検討を要すると思われるバーデン・ヴュルテンベルク州を中心にしてさらにその実態を明らかにする。同時に、それらの調査結果をも踏まえて、国家レベル・州レベル・実践レベルで学力向上政策と教育方法改革の特徴を省察し、最終報告書としてまとめる。以上の研究を遂行するため、4回の研究会をもつ。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ予定額を使用したが、久田の配分額の内、ドイツ調査旅費に若干の剰余が生じ、また、大村の物品費に僅かな未使用分が発生した事由による。

次年度使用額の使用計画

助成金の未使用額(11387円)は、最終年度である次年度に配分予定額とあわせてすべて使用する予定である。

  • 研究成果

    (25件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (13件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 異年齢学級教育の可能性と課題-イエナ・プランを中心に-2016

    • 著者名/発表者名
      熊井将太
    • 雑誌名

      『山口大学教育学部 研究論叢 第3部』

      巻: 第64巻 ページ: 53-66頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「エビデンスに基づく教育政策・実践」という磁場2016

    • 著者名/発表者名
      熊井将太・杉田浩崇
    • 雑誌名

      中国四国教育学会編『教育学研究紀要』

      巻: 第61巻 ページ: 428-439頁

  • [雑誌論文] テストをめぐる学際的検討-教育方法学・教育心理学・教育社会学の対話2016

    • 著者名/発表者名
      川口俊明・松尾剛・樋口裕介
    • 雑誌名

      『福岡教育大学紀要』

      巻: 第65号 ページ: 1-13頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 意味構成(Sinnkonstruktion)としての学習に関する一考察-陶冶履歴研究(Bildungsgangforschung)を手がかりに-2016

    • 著者名/発表者名
      樋口裕介
    • 雑誌名

      中国四国教育学会編『教育学研究紀要』

      巻: 第61巻 ページ: 380-385頁

  • [雑誌論文] 教師の発問に関する学際的考察2016

    • 著者名/発表者名
      小山義徳・髙木啓・阿部朋世・藤川大祐
    • 雑誌名

      『千葉大学教育学部紀要』

      巻: 第64巻 ページ: 195-203頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ドイツにおけるコンピテンシー志向の授業論に関する一考察2016

    • 著者名/発表者名
      高橋英児
    • 雑誌名

      『教育実践学研究 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要』

      巻: №21 ページ: 11-24頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教育的関係における顔=表情の意義に関する一考察2016

    • 著者名/発表者名
      藤井啓之
    • 雑誌名

      日本福祉大学教職課程センター編『教職課程論集』

      巻: 第14集 ページ: 6-12頁

  • [雑誌論文] ドイツにおける健康教育カリキュラムに関する一考察2016

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 雑誌名

      中国四国教育学会編『教育学研究紀要』

      巻: 第61巻 ページ: 78-83頁

  • [雑誌論文] 美的・感性的教育とコンピテンシー(1)-美的・感性的教科の問題からスタンダード化を考え直す-2016

    • 著者名/発表者名
      清永修全
    • 雑誌名

      『東亜大学紀要』

      巻: 第22号 ページ: 1-17頁

  • [雑誌論文] 未完としての道徳教育を授業づくりから考える2015

    • 著者名/発表者名
      久田敏彦
    • 雑誌名

      『日本教育方法学会第18回研究集会報告書』

      巻: 巻・号なし ページ: 4-21頁

  • [雑誌論文] An Outsider’s Viewpoint of Germany’s Teacher Education Reform2015

    • 著者名/発表者名
      Kemma Tsujino
    • 雑誌名

      Jounal of International Society for Teacher Education

      巻: Vol.19,No.1 ページ: pp.85-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エブリ(H.Aebli)の認知心理学に基づく教授学構想2015

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 雑誌名

      『広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域)』

      巻: 第64号 ページ: 21-28頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教育改革ただ中のドイツより-学力向上政策と教育の質改善に携わる諸研究機関訪問記-2015

    • 著者名/発表者名
      清永修全
    • 雑誌名

      『東亜大学紀要』

      巻: 第21号 ページ: 43-51頁

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 「エビデンスに基づく教育政策・実践」という磁場2015

    • 著者名/発表者名
      熊井将太・杉田浩崇
    • 学会等名
      中国四国教育学会第67回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-11-15
  • [学会発表] 陶冶履歴研究(Bildungsgangforschung)にもとづく授業に関する一考察2015

    • 著者名/発表者名
      樋口裕介
    • 学会等名
      中国四国教育学会第67回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-11-15
  • [学会発表] インクルーシブ教育におけるフォイザー(Georg Feuser)の教授学理論の構造-「統一と分化の原理」を中心に-2015

    • 著者名/発表者名
      吉田茂孝
    • 学会等名
      中国四国教育学会第67回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-11-15
  • [学会発表] ドイツにおける健康教育カリキュラムに関する一考察2015

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 学会等名
      中国四国教育学会第67回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-11-14
  • [学会発表] ドイツにおけるコンピテンシー志向の授業論に関する一考察2015

    • 著者名/発表者名
      高橋英児
    • 学会等名
      日本教育方法学会第51回大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2015-10-11
  • [学会発表] PISA後ドイツにおけるコンピテンシー(Kompetenz)の位置2015

    • 著者名/発表者名
      吉田成章
    • 学会等名
      日本教育方法学会第51回大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2015-10-11
  • [学会発表] 価値の教育と「観」の教育を考える2015

    • 著者名/発表者名
      高橋英児
    • 学会等名
      日本教育方法学会第51回大会(課題研究)
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2015-10-10
  • [学会発表] ‘Professional Responsibility’of School Teacher in Public Education-Implication by Analyziing German Educational Administration from Japanese Perspective-2015

    • 著者名/発表者名
      Kemma Tsujino
    • 学会等名
      International Society for Teacher Education, 2015
    • 発表場所
      Montclair State University
    • 年月日
      2015-06-24
    • 国際学会
  • [図書] 『よい教育とはなにか-倫理・政治・民主主義』2016

    • 著者名/発表者名
      ガート・ビースタ著 藤井啓之・玉木博章訳
    • 総ページ数
      205頁
    • 出版者
      白澤社・現代書館
  • [図書] 『現代社会の人間形成』(吉田成章執筆担当箇所「知ることを学ぶ-知識基盤社会にける授業づくりの課題」)2016

    • 著者名/発表者名
      金龍哲編著
    • 総ページ数
      202頁
    • 出版者
      三恵社
  • [図書] 『インクルーシブ授業をつくる-すべての子どもが豊かに学ぶ授業の方法』(吉田茂孝執筆担当箇所「すべての子どもが『「わかる』授業づくりの方法論」)2015

    • 著者名/発表者名
      インルーシブ授業研究会編
    • 総ページ数
      149頁
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 『教育のグローバル化と道徳の「特別の教科」化』(藤井啓之執筆担当箇所「道徳教育の研究動向-『道徳・性格教育ハンドブック』の内容分析を中心に-」)2015

    • 著者名/発表者名
      日本教育方法学会編
    • 総ページ数
      145頁
    • 出版者
      図書文化

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公開日: 2017-01-06  

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