研究課題
本年度は,八丈島,チャタム島(ニュージーランド),ハワイ諸島(米国)において現地調査を実施した.八丈島では,沿岸部に点在する巨礫の供給源が不明であったため現地調査を行った.そして,周囲の崖に波浪により巨礫が引き剥がされた痕跡があり,崖端から打ち上げられたものと考えられることがわかった.また,巨礫サイズの計測を行い,サイズ・空間分布の把握を行った.こうした現地調査データに基づき水理実験と数値計算を行い,巨礫群が同島に来襲する高波で基本的には説明できるものの,周期の短い津波でも説明できる可能性があることなどがわかった.チャタム島では,巨礫と砂質堆積物の関係について調べ,両者の堆積に同時性が認められることがわかった.また,複数個所で砂質堆積物の調査と試料採取を行い,年代測定を実施した.数値計算結果を踏まえれば,巨礫と砂質堆積物は津波により堆積した可能性が高い.津波発生時期や波源については今後検討が必要であるものの,周辺地域で発生した津波というよりは,チリ沿岸部など遠地で発生し,環太平洋一帯に影響を及ぼす巨大津波だった可能性が考えられる.ハワイ諸島においては,対象地域に歴史時代に発生した津波の浸水域や被害状況などについての情報収集を行った.そして,実施済みの化学分析結果等と比較することにより,地層に時間軸を入れる作業を行った.また,沿岸に点在する巨礫を調査し,津波波源制約のための材料となりえることを確認した.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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