弥生、古墳時代の古墳から膨大な数のガラス玉が出土するが、すべて海外からの輸入品である。これらのガラスがどこから来たかを分析化学的に解明することが本研究の目的である。方法は,メーカーと開発した可搬型蛍光X線分析装置でユーラシア大陸各地で出土した古代ガラスをオンサイトで分析し、九州から北海道までの古墳出土ガラスの分析結果と比較することで日本のガラスの起源を考察した。分析の結果、交易により同一の起源のガラスが南アジア、東南アジア、東アジア、中央アジア、そして日本に流通していた。一方、近世の極東地域では中国から極東へガラスが移動し、極東からアイヌ文化によって北海道に移動していることが推察された。
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