研究課題
2014年からリアウ州ブンカリス島にて研究を継続中である.その結果,次に示す事実が明らかになってきた.1.リアウ州の泥炭地の海岸浸食は研究対象としたブンカリス島のみならず,リアウ州の他の島々でも発生しており,陸域から海域への泥炭デブリの水平輸送をもたらしている.2.泥炭地の海岸浸食は単なる波による浸食ではなく,内部からの崩壊現象(ボグバースト現象)も関与している.3.泥炭地の崩壊は地下水の上昇によって引き起こされており,地下水位の制御によって崩壊を抑止できる可能性がある.4.崩壊した泥炭の一部は潮流により輸送されて再堆積し,砂嘴を形成して内部に干潟を形成しており,マングローブが成立している.これらの研究成果については目下ジャーナルに投稿中である.Page et al.(2002)の研究を契機として泥炭地では生物的酸化が盛んに研究されているが,泥炭地の海岸浸食については殆ど注目されておらず,泥炭の水平輸送に言及した研究は世界的に見ても珍しい.泥炭を河川流域に有するヨーロッパでは斜面における泥炭の崩壊現象(peat slides)は古くから良く知られている(A.P.Dykes and Jeff Warburton, 2007).しかし,泥炭地が海岸となって直接波浪に暴露されることは熱帯泥炭地の形成過程の上で考えられなかったため,海岸での熱帯泥炭地の崩壊現象については申請者らだけが注目しており国際的に研究が全く進んでいない.2016年に開催された15th International Peat Congressでは申請者の発表は海外の研究者から注目を集めた.今後もリアウ大学・ブンカリス高専との共同研究を継続してゆく予定である.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
International Journal of Engineering and Technology
巻: Vol. 9, No. 3 ページ: 233-238
DOI: 10.7763/IJET.2017.V9.976
Proceedings of 15th International Peat Congress 2016
巻: 15 ページ: 147-150