研究課題/領域番号 |
26303017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
城所 哲夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00282674)
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研究分担者 |
永井 史男 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10281106)
知花 武佳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10372400)
加藤 孝明 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30251375)
瀬田 史彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50302790)
松行 美帆子 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (90398909)
志摩 憲寿 東洋大学, 国際学部, 准教授 (90447433)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アジア都市 / 都市構造 / 気候変動 / 空間適応 / 空間ガバナンス |
研究実績の概要 |
平成28年度は下記の研究を行った。 (1)既存の各種計画への適応策の組み込み(適応策の主流化)と空間適応計画制度の検討:対象都市では、5か年計画、国土・地域空間戦略フレーム計画、都市計画、河川整備計画、沿岸管理計画、環境計画、温暖化防止計画などの多様な関連計画を有しており、防災マネジメント策はすでに項目として挙げられている。しかし、気候変動への対応としての適応策・緩和策が明示的に示されているとはいえない。気候変動という不確実であるが大きな影響をいかに諸計画のなかで順応的に組み込むか(気候変動緩和策・適応策の主流化)、さらに、それらを横串にしてフレーム化する空間適応計画制度を構築していくうえでの課題について、既存の制度・政策・計画の分析、対象都市(国)の担当行政官、専門家へのヒアリング・アンケート調査を通じて整理し、検討した。 (2)重層的なマルチ・スケールネットワークのもとでの順応的マネジメント:対象都市において、コミュニティ、自治体、大都市政府、市民団体、民間団体等のステークホルダーが空間的にも時間的にも柔軟にネットワークを形成することにより順応的な適応策を計画・実施する(順応的マネジメント)ことが可能となる条件について、対象都市における既往の環境的課題に対するコミュニティ間の連携、自治体間の水平的・垂直的連携、異なるセクター間の連携の事例を分析し、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、対象都市等での調査が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今までの調査を踏まえて、空間適応マネジメントのための都市ガバナンス強化策の提案をおこなす。具体的には、重層的なマルチ・スケールネットワークのもとでの順応的マネジメントに対応するガバナンスのあり方として、自己組織化型空間ガバナンスの形成が肝要となるとの仮説の有効性を検討する。自己組織型空間ガバナンスとは、各主体が連携して包括的ビジョンを描き、そのうえで、各主体が、多様な主体との対話を通じて、ビジョンの深化・共有のプロセスを経つつ、自立的なまちづくりを進めていくというプロセスをへて構築される空間ガバナンスのことである(下図)。対象都市圏における地方分権のレベル(大都市制度、政策の策定と実施の権限・義務、首長の選出方法(住民選挙か任命か))、財政的基盤(地方財政制度、中央・地方関係等)、人的基盤(地方公務員制度等)、地方議会制度と政党システム、中央と地方の政治関係、自治体間広域連携制度、市民・ステークホルダー参加のシステム(コミュニティ組織、NGO等の市民社会組織、民間団体の計画策定プロセスへの関与の度合い等)等のガバナンスに関わる制度・事例調査をふまえて、空間適応マネジメントの円滑な推進のための都市ガバナンス強化策について提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
バングラデシュにおいて現地情勢が不安定なため現地調査が滞ったため
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次年度使用額の使用計画 |
他の国での現地調査を行う。
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