日本海最北部のサハリン島南西沖タタールトラフで天然ガスハイドレートを採取した。試料の地球化学分析を行なった結果、熱分解起源メタンを主として包接した構造I型結晶であることが明らかにされた。このような産状は他に日本海上越沖とバイカル湖にしかなく、構造II型出現を促す熱分解起源エタン、プロパン等がガス供給過程で何らかの原因で除かれたことが本質的要因、と考察される。 一方、実験室研究ではメタンハイドレート水和数に及ぼす硫化水素の影響、堆積物粒子がゲストガス安定同位体分別に及ぼす効果、空気成分や各種天然ガス成分による人工ハイドレートの解離熱測定、混合ガスハイドレート解離時の結晶二次生成に関する知見を得た。
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