研究課題
平成29年度においては、平成26年度から平成28年度の期間に終えることができなかった本研究課題の実施事項について補足的な作業を実施した。具体的には、これまでに得られたリス科齧歯類サンプルのDNA塩基配列の解析およびデータの整理、論文作成、研究成果の発表を行った。特に、これまでに解析をされていないミャンマー産のタイワンリス属の系統的位置について調べ、インドシナ半島西部を流れるイラワジ川による地理的隔離効果について検証を行った。その結果、ミャンマー産のタイワンリス属は、ベトナム北部に限局的に分布するベトナムリスやその姉妹種であるハイガシラリスに近縁であることが明らかとなり、インドシナ半島における河川による地理的隔離効果を検討する上で、現在とは異なった大河の流れ・存在を検討する必要性が示唆された。この成果については、平成29年12月にミャンマーのヤンゴン大学で開催された国際シンポジウム(The 7th International Symposium on East Asian Vertebrate Species Diversity)で口頭発表を行った。地史的視点から俯瞰した地理的隔離効果の解明は今後の重要な検討課題であると考えている。また、これに加えて、ベトナムの共同研究者と共にベトナム産のクリハラリスの頭骨の地理的変異を解析し、同国際シンポジウムでベトナムの若手研究者により口頭発表が行われた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Mammal Study
巻: 42 ページ: 111-116
https://doi.org/10.3106/041.042.0206
Royal Society Open Science
巻: 4 ページ: 170608
http://dx.doi.org/10.1098/rsos.170608
巻: 42 ページ: 45-49
https://doi.org/10.3106/041.042.0105