研究課題/領域番号 |
26304020
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石井 尊生 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20260648)
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研究分担者 |
宍戸 理恵子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (90307819)
石川 亮 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70467687)
野々村 賢一 国立遺伝学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10291890)
小出 陽平 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (70712008)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 野生イネ / 遺伝的多様性 / 遺伝子流動 / Oryza rufipogon / 熱帯アジア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、熱帯アジアにおける野生イネ自生地を調査場所とし、野生イネと栽培イネの間の遺伝子流動の実態を明らかにすること、ならびに生態型に応じた野生イネ集団における遺伝的多様性の程度を調査することを通して、野生イネの本来の姿を明らかにすることである。本年度は以下の通り、ミヤンマー、ベトナムおよびカンボジアにて現地調査を行った。 ミヤンマー:2015年11月22日より12月5日まで、イラワジ川下流のヤンゴン周辺部および西部のシットウェー周辺部にて調査を行った。まず、イエジン農業大学の研究協力者と打ち合わせを行った後、現地の野生イネ集団の観察を行った。次に、生態・生育環境等の予備観察結果を基に、野生イネ集団の遺伝的多様性調査に適した調査地を8カ所選定した。各調査地では、地理的情報、生育環境、周辺植生、水質・土壌環境について詳細に記録した。さらに、調査地内に設定した区画からイネの葉を収集し、その粗抽出液を特殊濾紙に固定してサンプリングを行った。野生イネと栽培イネの間の遺伝子流動調査に関しては、栽培イネの収穫後の時期であったため、次年度の調査候補地として2カ所を選んだ。収集したサンプルについては、現在分子マーカーを用いて解析を行っている。 ベトナム:2016年1月25日より29日まで、前年度調査を行ったメコンデルタ地域の遺伝的多様性調査地を4カ所ならびに遺伝子流動調査地3カ所における野生イネの観察を行った。これまでの調査は雨期の終わりに行われたため、乾期の調査地における野生イネの生態や生育環境等に関する新たな情報が得られた。 カンボジア:2016年1月29日より2月2日まで、ベトナム調査と同様に乾期における昨年度の調査地7カ所の野生イネの生態調査を行った。また、次年度の遺伝子流動調査の候補地として新たに2カ所を選定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミヤンマーにおける調査は、事前に現地の研究協力者と打ち合わせを行ったため、計画通り進んでいる。また、調査には研究協力者が同行したため、適切な調査地を短期間で選定することができた。 ベトナムとカンボジアにおける調査では、乾期における調査地の野生イネの生態が新たにわかり、遺伝的多様性ならびに遺伝子流動に関する調査結果の考察に役立つものであった。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝的多様性に関するサンプリングはほぼ一通り終わったため、次年度はミヤンマーとカンボジアにおいて、主に遺伝子流動に関する調査を計画している。これまでと同様、現地の研究協力者と話し合い、候補地におけるスムーズな調査が行えるよう準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通りの支出(99.8%)を行ったが、1万円以下の端数(6,687円)が次年度に持ち越しになった。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度請求分と合わせて、試薬の購入に充当する。
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