研究課題/領域番号 |
26304024
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
藤井 義晴 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10354101)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アレロパシー / 生物検定 / 重力屈性 / 天然生理活性物質 / つる植物 / 薬用植物 |
研究実績の概要 |
現地の研究者の協力を得て、植物園、国立公園、山林、農地等で植生調査し植物を採取した。サンドイッチ法、ディッシュパック法等でアレロパシー活性を検定した。現地の大学の研究者に手法を伝授し、現地で検定を継続してもらった。検定結果を活性解析プログラムを用いて計算した。活性の強い物質については、作用成分の推定を行った。 1回の出張は2~3週間とし、この間に100~200種程度の植物を採取して現地で検定を行った。検定は各国の研究者に継続してもらい結果を信してもらった。調査した国とその内容は次のとおり:1.イランでフェルドウシ大学のアジジ教授らと共同で実施した結果、サフラン等に強い植物成長阻害活性を見出した。サフランに含まれる作用成分の本体はサフラナールであった。中国雲南省で、雲南農業大学等の協力で実施し、少数民族が利用している薬用植物から有望な植物数種を得た。3.マレーシアでマラヤ大学等の研究者の協力を得て実施した結果、ボルネオ島の植物に候補植物を見出した。4.カメルーンの研究者と連絡研究を実施し、アフリカで新たに発見されたトウダイグサ科植物の活性を調査した。5.パキスタンの研究者と連絡研究を実施し、タマリンド等のマメ科植物の活性を調査した。国内では、昭和薬科大学植物園の協力で日本国内で栽培されている薬用植物の検定を行った。セリ科薬用植物に強い活性を見出した。国内における試験で、インゲンやアメリカネナシカズラのような蔓植物を用いたつるの巻き付き防止試験を行い作用を検定した結果、重力屈性に影響を及ぼす物質がつるの巻き付きを阻害することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イラン、中国雲南省、マレーシアおよび日本国内の薬用植物園において探索研究を行い、現地の研究者と、現地から日本に留学している学生の協力により、作用の強い植物を複数見出すことができ、その一部については、成分も同定することができた。海外で活性の強い植物で日本国内の薬用植物園に栽培されている植物体を用いた研究も行った。その一部については、物質の同定も行った。出張先は、留学生と相手国研究者の都合もあり、次年度(平成27年度)に調査する予定であった地域を先に調査することとなったが、ほぼ想定どおりの成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
南米のペルー、ブラジル、東南アジアのベトナム、インドネシア、タイ、ミヤンマーでの探索を実施する。留学生がいるスーダン、ガーナ等での検索も検討する。作用の強い植物について、これまでに開発したつるの巻き付き防止検定法により作用を確認する。作用の強い植物から成分の分離・同定を試みる。重力屈性に影響を及ぼす物質がつるの巻き付きを阻害することが分かったので重力屈性阻害活性試験も併用して検索する。
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