研究課題/領域番号 |
26304028
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
上田 明良 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, チーム長 (90353599)
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研究分担者 |
高橋 正義 独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 主任研究員 (50353751)
酒井 敦 独立行政法人森林総合研究所, 四国支所, チーム長 (70353696)
前藤 薫 神戸大学, 農学研究科, 教授 (80346238)
滝 久智 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (80598730)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / インドネシア共和国 / 東カリマンタン州 / 生物多様性 / 衛星画像 / 植生 / 腐肉食性コガネムシ類 / ハナバチ |
研究実績の概要 |
協議書についてはほぼ合意に達し、現在カウンターパート機関長署名入り文書の送付を待っている状況である。12月の現地調査では、事前にスンガイワイン保護林を含むLANDOSAT 8の2014年3月の衛星画像を入手し、これをもとに現地でアクセス可能な調査用トランセクトの探索を行い、有望な候補地を数カ所に絞り込んだ。そのうち火事帯と非火事帯を繰り返しながら健全林から荒廃林に至る1トランセクトを設定し、一部の場所で植生と昆虫捕獲調査を行った。植生について、いくつかの地点で植生調査を行い、1地点の調査を完了するのに4人で30分必要であることがわかった。腐肉食性甲虫について、魚肉ベイトを用いた埋め込み式トラップによる捕獲で、健全林からの距離に応じて種数・捕獲数ともに減少する傾向がみられたが、より正確な調査のため1地点3トラップ程度が必要と考えられた。ハナバチについては、様々な方法による捕獲を行い、蜂蜜を用いた黄色パントラップが多様性調査に有効な調査法と判明した。 このほか、本研究課題の一部を用いた英文の査読付論文が森林総合研究所研究報告に掲載された。また、学会発表も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協議書がほぼ合意しているとはいえ、調印がまだであること、トランセクトの作成を終えることができたが、多様性調査が不完全である点が少し遅れているが、これら以外の点は達成できている。また、次年度以降にトランセクトを設置するのに好適な場所をいくつか見つけることができ、今後のプロジェクトの推進に先んじることができた。また、論文・学会発表を通じて成果の公表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
カンターパート機関と今後の研究方針、協力体制、日程調整等を協議する。より最新の衛星画像を探索するとともに、植生景観(GIS)マップの作成にとりかかる。今年度のトランセクトで未実施の調査を完了させるとともに、新たに2トランセクトを作成し、植生と昆虫の調査を行う。論文と学会発表を通じて成果を公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究には分解能が高いマルチスペクトルの衛星画像を用いる必要がある。衛星画像を購入するための予算を計上し、購入に向けた作業を行った。しかし、対象地周辺は雲の発生等により今年度は良質の画像の取得が出来なかった。 訪花性および捕食寄生性ハチ類については、12月に捕獲調査を行ったが、同定・解析が遅れており、これに関わる経費が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
購入が遅れている分解能が高いマルチスペクトルの衛星画像については、最新の画像を随時チェックし、良質の画像が得られ次第、速やかに購入する予定である。同定・解析が遅れている訪花性および捕食寄生性ハチ類については、同定・解析に関わる消耗品の購入や人件費として使用し、作業を進めていく。
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