研究課題
平成28年度は主に下記3項目について実施した。【スラウェシ島北部におけるトキソプラズマ感染調査】サムラトランギ大学医学部TUDA JOSEF博士との共同研究、および同大学動物科学部Sri Adiani博士との共同研究により得られたスラウェシ島北部の疫学調査の結果をまとめ、論文として発表した。ヒト血清サンプル(856検体)の58.5%がトキソプラズマ陽性であった。感染要因を解析したところ、男性と女性間での陽性率に差は認められなかった。0~9歳では感染率が10%以下であったが、10歳以上から感染率が40%以上に増加していた。従って感染率の増加には環境因子の関与が示唆された。感染源として食肉に着目し、ブタとウシの感染率を調査したところ、それぞれ2.3%と14.9%であった。以上の結果は、本地域の別のトキソプラズマ感染要因を特定する必要があることを示している。本結果については、2016年7月11日にTUDA JOSEF博士と日本で協議を行い、今後も共同研究を継続することを確認している。【インドネシア全土を対象にした家畜寄生虫感染症の調査】インドネシア家畜疾病診断センターと協力して家畜寄生虫感染症の横断的調査を実施した。ジャワ島西部のウシバベシア感染の調査結果については論文として報告した。ウシ血清サンプル(991検体)のうち、バベシア・ボビス陽性率が28%、バベシア・ビゲミナ陽性率が27%であった。今回の結果は、本地域のウシの経済的損失を抑えるためにウシバベシア感染の対策の必要性を示している。また、インドネシア産肝蛭の分子系統解析を行った。【クリプトスポリジウム感染検出用簡易迅速診断法の開発】クリプトスポリジウム特異抗体検出に適した抗原2種を同定し特異抗体検出用イムノクロマトの作製を実施した。本イムノクロマトは自然感染牛の検出にも適応できることが明らかとなり、今後論文化を進める。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Parasitol Int.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.parint.2017.04.011.
Vet Parasitol
10.1016/j.vetpar.2017.04.010.
Parasitol Int
巻: 65 ページ: 424-427
10.1016/j.parint.2016.06.004.
Acta Trop
巻: 162 ページ: 206-211
10.1016/j.actatropica.2016.06.032.
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