研究課題/領域番号 |
26304038
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ハマダラカ |
研究実績の概要 |
本研究は西アフリカ・ブルキナファソを調査対象国とし、ベクター媒介性感染症における病原体媒介能規定因子を包括的に解析することで、これら感染症の制圧に資することを目的とするものである。マラリアをモデルとして用いることで、ハマダラカの病原体媒介能規定因子について、ベクター自身と、それを取り巻く環境の両側面から解析し情報を蓄積する。これらの知見をベクター・患者双方の疫学情報と共に包括的に解析し、現在もなお不明な点が多く残るベクターの病原体媒介能規定因子と感染症発生の相関関係を明らかにすることを試みる。 現地研究協力機関の協力によりハマダラカサンプルをブルキナファソのナノロ、ゴーデン村を中心としたハマダラカの採集をCDCライトトラップ法・屋内殺虫剤噴霧法等により実施した。得られたハマダラカサンプルについて、マラリア感染率・殺虫剤耐性変異検出法の解析および解析法の開発に供した。 ハマダラカからのマラリア原虫検出についてPCR法・リアルタイムPCR法・等温遺伝子増幅法の三者について実用性を検証したところ、PCR・リアルタイムPCR法についは相関性を示す結果が得られたが、LAMP法については前者の方法に対する相関性が低かった。これらの解析は本年度においては日本で実施したが、現地実装を鑑みると設備的観点から等温遺伝子増幅法が優れている。従って、等温遺伝子増幅法によるハマダラカからの病原体検出法の改良は次年度以降の課題と考えられた。 有機リン剤耐性を付与するAce1遺伝子SNPの検出法開発を行った。等温遺伝子増幅法・リアルタイムPCR法に効率的に変異を検出可能であった。当該調査地域における本SNP保有率は3%程度であった(Malaria J, 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テロの発生等により若干の遅れがでたものの、計画に基づいて、現地協力機関の協力によりハマダラカサンプリングを収集することができ、解析が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に準じ、現地協力機関の協力によりサンプリングを継続的に実施する。テロ・クーデター等によるサンプリング阻害対策として次年度においては、ハマダラカ捕獲トラップの増設を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
クーデターの余波などによる政情不安定さ、テロの発生などによってサンプリングが当初の予定より時間を要したため。
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次年度使用額の使用計画 |
サンプル解析のための試薬購入費用、人件費等費用として充当予定。
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