研究課題/領域番号 |
26304038
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ハマダラカ |
研究実績の概要 |
本研究は西アフリカ・ブルキナファソを調査対象国とし、ベクター媒介性感染症における病原体媒介能を包括的に解析することで、これら感染症の征圧に資することを目的とする物である。マラリアをモデルとして用いることで、ハマダラカの病原体媒介能規定因子について、ベクター自身とそれを取り巻く環境の両側面から解析し情報を蓄積する。これらの知見をベクター・患者双方の疫学情報と共に包括的に解析し、現在もなお不明な点が多く残るベクターの病原体媒介能規定因子と感染症発生の相関関係を明らかにすることを試みる。 現地研究協力機関の協力によりハマダラカサンプリングを11月から12月にかけてブルキナファソにおいて実施した。サンプリングには屋内殺虫剤噴霧法・CDCライトトラップ法・プロコパックアスピレーター法の併用により実施した。殺虫剤耐性蚊の出現が確認されなかったナノロ村では屋内殺虫剤噴霧法を用い、10件の家屋を対象として2週間にわたり実施した。またCDCライトトラップによる捕獲も連日実施した。ゴーデン村・ゴンドリー村・コブリ村ではプロコパックアスピレーター法とCDCライトトラップ法の併用により実施した。 ハマダラカ蚊からのマラリア原虫検出において、現地実装に最適な等温遺伝子増幅法市販キットの感度に問題があることが昨年度において明らかとなったが、検出に最適と考えられる対象遺伝子の絞り込みに成功し、現在、等温遺伝子増幅法の最適化を実施している。前年度サンプリングを実施したハマダからのマラリア原虫保有率は22%と依然、高値を示しており、現地におけるマラリア対策の改善が必須であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地機関および研究者の協力により、ハマダラカのサンプリングが継続的に実施され、解析が振興しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に準じて、現地協力機関の協力によりサンプリングを継続的に実施する。また、現在までに得られたサンプルの解析データの取り纏めを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
クーデターの余波などによる政情不安定さ、テロの発生などによって当初の予定より時間を要したため。
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次年度使用額の使用計画 |
サンプル解析のための人件費・試薬購入費用、および調査地でのサンプリング費用に充当予定
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