研究課題
ガーナ共和国に生息する野生動物・家畜において、ヒトや家畜の重要な病原体であるクラミジア分布調査と遺伝子型別を行い、国内では実施不可能な、多様な動物を対象とした包括的な実態調査を計画した。 昨年度、ロストバゲージにより生じたトラブルにより解析を今年度に持ち越した、ガーナ北部の在来家畜の血液DNAの解析は、現地冷凍庫の故障により、実施できなかった(血液を用いた原虫の抗体保有状況調査は昨年度実施し、原著論文として報告できた)。そこで、今年度の渡航では、アクラ近郊で飼育される家畜・大型齧歯類(グラスカッター)、環境(土壌・水)から採材しクラミジア(動物)およびクラミジアと同様にヒトや家畜に病原性を示す細胞内寄生細菌である抗酸菌の保有状況の調査を行った。また、包括的な解析として、これら動物が保有する細菌叢を16Sアンプリコンシークエンスにより解析した。加えて、今年度は特に、これまでに行ったガーナの家畜、野生動物の糞便、吸血節足動物からクラミジア科(パラクラミジア科を含む)や他の細胞内寄生細菌、原虫のスクリーニングにおける、陽性検体の詳細な遺伝子型別を実施した。これにより、・野鳥、家畜の間で同一の遺伝子型のクラミジアが循環していること、・野生のグラスカッターに吸血しているダニがヒトや家畜の病原体を保有していること、・グラスカッターは、野生と飼育されているもので保有菌叢が異なること、などを明らかにすることができた。成果は、複数の原著論文として報告する予定である。また、日本国内で採材したクラミジア陽性検体を用いて、コピー数の少ない検体中から、これまでの16S rRNAや多様性の大きい表面抗原遺伝子(ompA)に加え、enoAやgltAなど複数のハウスキーピング遺伝子を解析する系を構築することができ、前述のガーナ調査の検体の解析に用いることができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 10件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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