ヒトへの感染源となる畜産物にトキソプラズマ原虫がどの程度含まれているか、バングラデシュの市場で入手できる畜産物をサンプルとして検証した。小型半数動物由来の食品から高頻度にトキソプラズマ遺伝子が検出された。遺伝子型については、特に既報と異なった株であるという情報は得られなかった。なお精査は必要であるものの、一般的な株が広く蔓延しているものと考えられる。またトキソプラズマ以外にも網羅的に原虫感染症について糖鎖を行い、これまでバングラデシュでは報告されていない病原体に感染しているウシを複数見出した。特に熱帯ピロプラズマ病の病原体であるTheileria annulataの遺伝子が複数のウシから検出されている点は家畜衛生上重要であるとおもわれる。とりわけ在来品種のウシが不顕性感染しており、他のウシへの感染源としての重要性が示唆された。
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