研究課題
平成27年秋に、ケニア共和国Mbita地区に赴き、ヘルスチェック、各種感染病原体の伝播状況を、尿、便、血液を採取した。末梢血に関しては、さらに単核球を分離し、病原体抗原と反応させ、T細胞応答(サイトカイン産生)を現地でFACS解析を行った。血清に関しては、国内で、血液生化学試験の実施を計画している。一方、血清抗体価の測定による、結核菌感染のモニターにむけ、各種結核菌組み換え抗原の調整を継続して行っている。Antigen 85については、特に産生量が低いため、コドンの改変、シグナルペプチドの導入、トランスファーRNA付加大腸菌などでの発現系を試している。一方、ESAT6とCFP10については調整を終え、Mbita地区で採取した血清中の抗体価と、T細胞応答(IFN-gamma産生)による比較を行った。その結果、ESAT6、CFP10抗原刺激によるT細胞応答陰性者に、抗体応答陽性者が相当数含まれる傾向がみられた。また、Mbita地区において、血中コレステロールの上昇と、結核菌感染の相関を検出したことから、そのメカニズムの解析を継続している。ヒト血液中からコレステロールを精製する系を確立した。そして、結核菌の主要な感染細胞であるマクロファージをコレステロール処理すると結核菌の感染率が上昇することを見いだした。
2: おおむね順調に進展している
ケニア共和国Mbita地区に渡航し、ヘルスチェックや解析試料を採取を実施した。現地での結核菌抗原に対するT細胞応答に加え、血清中の抗体価測定を行い、T細胞と抗体応答の相関解析に着手している。また、結核菌感染と様々なパロメーターとの相関を解析している。
ケニア共和国Mbita地区で収集した、またKwale地区で収集する、サンプルの解析を行う。抗体応答は、特に抗原の構造に反応性が左右されるため、解析する抗原の立体構造に留意しながら(CDによる二次構造解析や、酵素活性、多量体形成性など)精製し、抗原として利用する。ELISAやマルチプレックス法により各種結核菌蛋白質に対する抗体応答を測定する。そしてT細胞応答との比較を行い、抗体応答がT細胞応答で検出されない結核菌感染者を検出できる可能性を検討する。また、結核菌抗原に対する抗体およびT細胞応答と、各種試験項目(身体測定、血液検査、マラリア原虫感染やAIDS)と相関があるかを、継続して検討していく。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Journal of infection and chemotherapy.
巻: 1 ページ: 印刷中
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http://www.med-niigatauniv-bacteriol.org/