研究課題/領域番号 |
26305023
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
市原 佐保子 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 准教授 (20378326)
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研究分担者 |
平工 雄介 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30324510)
市原 学 東京理科大学, 薬学部, 教授 (90252238)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 労働衛生 / 環境衛生 / ナノ粒子 / 循環器系 / 中国 |
研究実績の概要 |
ナノサイズ(100ナノメートル以下)に物質のサイズを制御することが可能となり、応用可能な革新的技術として期待されている。100ナノメートル以下になると、一粒子あたりの表面積が格段に大きくなり、従来の微粒子よりも表面活性が高くなるため、新たな物質・材料としてその応用性が期待されている。反面、新たな物性を持つため、従来の測定法では定量が困難であり、有害性の定量評価が出来ず、ヒトに対する未知の有害性リスクを有する可能性が懸念されている。本研究では、すでに市場に多く出回っている酸化金属ナノ粒子と今後その応用が期待されているカーボンナノチューブに注目し、中国にあるナノ素材取扱工場に加え製造工場の労働現場を調査し、ナノ素材によるヒト心血管系への影響と労働環境中のナノ粒子数との関連を検討し、ナノ素材のリスク評価のための科学的基礎資料を作成することを目的とする。 本年度は、これまでに実施した中国の上海市の酸化チタン粒子取扱工場での調査結果をまとめ、労働環境中のナノ粒子曝露量と、労働者の心肺機能への影響を解析した。また、新たな粒子取扱工場の検討のために、中国を訪問し、複数の候補ナノ粒子取扱およびナノ粒子製造工場を見学した。そのうち、広州市のナノ粒子取扱工場で、工場内の環境中のサイズ別の粒子数を粒子分布計測器CPCとOPCで計測する予備調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノ粒子取扱工場内での労働環境中のナノ粒子曝露量と、労働者の心肺機能への影響を解析したところ、ナノ粒子数と心拍変動との間に相関関係があることを確認した。この結果を別の工場でも確認するために、中国研究者との研究打ち合わせを重ねた結果、新たな広州市のナノ粒子取扱工場での予備調査を実施することが出来、本調査に向けて議論を継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
広州市のナノ粒子取扱工場で、労働現場ごとに、粒子分布計測器CPCとOPCによるサイズ別の粒子数と粒子表面積を測定する。また、特に粒子曝露の多い場所で作業をしている労働者にholter心電図を装着してもらい、心拍変動と粒子数/表面積との関連を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
中国研究者との研究打ち合わせが主にメールにて順調に進み、また、工場の予備調査も中国側の研究者および学生の協力を得ることができ、日本側からは少人数の参加で実施することが出来たため、予定していた旅費等を次年度に回した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度分の研究費と合わせて、新たな高性能粒径分布計測器を購入し、本調査では、工場でのより充実したナノ粒子の曝露評価を実践する予定である。
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