研究課題/領域番号 |
26305028
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
石井 晴之 杏林大学, 医学部, 准教授 (30406970)
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研究分担者 |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
井上 義一 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (90240895)
田澤 立之 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70301041)
皿谷 健 杏林大学, 医学部, 助教 (40549185)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺胞蛋白症 / 骨髄異形成症候群 / 内科 / 臨床 |
研究実績の概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)に合併した続発性肺胞蛋白症(sPAP)の予後に関わる危険因子を国際共同研究により解明することを目的とする。このMDS-sPAPは予後不良(2年生存率42%)であり、PAP増悪や感染症合併による重症化が多い。しかし移植治療によりPAPが改善した症例もあり、危険因子が明らかでないためMDS-sPAPの悪化例では移植するタイミングを失している例も多い。そのためMDS-sPAPの予後に対する危険因子を明確にすることは、本症の予後改善に寄与する。日伊独豪の国際共同調査により、我々の知見を確認し、発展させる100例規模のvalidation cohort研究を行う。そして呼吸器内科領域だけではなく、血液内科領域の診療にも有意義なものと考える。また日伊独豪の国際共同調査のため、人種差・国別によるMDSおよびsPAPの臨床的特徴も同時に評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果で、日本国内のMDS-sPAP症例は呼吸器内科のみならず血液内科診療下においても情報収集・確認ができた。しかし欧州MDS-NetWorkからのMDS-sPAP登録症例はなく、Euro-PAP network(呼吸器内科診療下)で2例のみであった。そのため希少疾患である本疾患の臨床情報解析が同時並行で行えていない。しかし、これらは実際の数値であり人種差による影響を反映しているものかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行ってきた予備調査では予想外に欧州豪州ともにMDS-sPAP症例が登録されず、結果的に臨床情報の整理や予後予測因子の議論が行えなかった。そのため欧州・豪州のMDS-NetWorktとの調査は継続するが、現時点でeCRFおよびEDCシステム設置は行えない。これらの結果は日本国内と国外にて明らかな症例数の差があり、共通した疾患とは捉えられず日本独自の疾患概念として注目していく必要性が生まれた。そのため、これからは以下の研究計画を進めていく。 1) 本疾患に対するホームページの設置と情報公開:本研究により国内外でのNetWorkが作れたため随時継続した調査を行うための、sPAP診療研究ホームページを立ち上げ、希少疾患である本疾患の情報を公開していく。 2) 国内および国外での調査研究の継続 3) 合同拡大カンファレンスの実施:本研究の総括として3年間の集積した情報をもとに欧州NetWork研究者との合同拡大集会を開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査において対象疾患例が欧州および豪州MDS-NetWorkにおいて抽出されなかった。そのためeCRFなどの作成に関わる費用が未使用になってしまった。本来であれば日本国内の症例数と同等の約50例程度を推測していたが、結果的には国外症例数は2例のみで日本国内発症例ばかりであった。しかしこれらの結果は、従来明らかにされていなかったことで人種差による特徴的所見が得られた可能性が高い。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究においては症例集積におけるデータ管理を含めた解析を検討していたが、予想以上に国内外での症例数に差異があった。そのためデータ管理よりもホームページを新設したInternational NetWorkを構築することに使用計画を変更していく。
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