研究課題
本年度も日本および北京人民軍脳血管中心にて2回の研究打ち合わせを行った。双方が共同研究教室とともに行っている新規もやもや病関連遺伝子の探索に関しては、我々が新たにCCER2遺伝子に関して出版報告することが出来たため、本遺伝子プローブ情報を北京に持参し中国人もやもや病患者での悉皆スクリーニングを行う事に合意し測定を開始している。中国側で発見している神姫関連遺伝子報告に関しては研究年度内に出版が出来なかったため、情報を得ることができなかった。今後も交流研究費の取得を継続し相互訪問と解析情報の交換を続けていくことで合意している。MRI脳循環計測を用いてのもやもや病患者の臨床計測では本年度中にASL-MRIの撮像法の新規開発により定性的な脳血流評価とともに循環時間の遅延も計測できることを示し論文発表した。本手法は中国の施設の解析環境でも可能であることが判明したため講演会でのknow-howの伝授を行ない両施設で共通の基盤で経時的な脳循環計測が出来るように設定した。また我々と北京人民軍脳血管中心ではもやもや病患者の治療に間接的血行再建術という共通の手法を用いているがこの手術による術後の脳循環改善が術後10日程度から始めることをDSC-MRIの手法により示すことが出来た。本研究に関しても北京で講演を行い、また2016年の国際磁気共鳴学会の数少ない口演発表に選択されたことで広く成果を示すことが出来た。これらの一連の活動により日中での多数のもやもや病患者を同一の基盤で解析する環境は整えることが出来たが、最も重要な中国人患者における変異遺伝子の解析結果がオープンになっていないためその情報に基づく日本の患者の解析がスタートできなかったのは残念な点であった。今後も交流を続けて発展させることが必要である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 図書 (2件)
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