研究課題
2014~15年に掛けて,WHO,サミットおよび米国ホワイトハウスから,薬剤耐性感染症への対策が,国際ならびに国家政策として全世界に発信された.続いて,日本政府は2016年2月に「感染症基本計画」を策定し,肺炎球菌等の耐性菌対策を重要政策に据えた.その後,4月には「耐性菌アクションプラン」が閣議決定され,6月の伊勢志摩サミットでは肺炎球菌等の耐性菌対策が国際社会に重要議題として提示された.9月には国連総会において,世界規模の緊急問題としてMRSA等の耐性菌対策が採り上げられた.そして,これら一連のMRSA等の耐性菌対策について,日本政府は世界でリーダーシップを発揮すると国際的に公約した.その政策第一弾が,今年度に厚生労働省が策定した「抗菌薬の乱用防止ガイドライン」である.3年半後に,抗菌薬の使用量を3分の2に制限する数値が明記されている.背景にあるのは,耐性菌の増加に伴い,肺炎死亡者が国内で毎年10万人以上も発生し,かつ年々増加している現状である.さらに,薬剤耐性菌等に抜本対策が採られなければ,2050年には世界で毎年1000万人以上の死者が生じる と WHO・国連,厚生労働省から試算が出されたことである.それにも関わらず,抗菌薬に頼り切っていた わが国の医歯薬学分野では,腫瘍や再生医療等の特定領域に研究費と人材が集中し,耐性菌の治療法の確立はおろか治療に結びつく科学的な研究成果の蓄積も不十分であるという現実に直面した.一方で,同じ抗菌薬治療を行っても 患者ごとに薬剤耐性化の進行パターンが異なるとの臨床経験や診療報告が集積してきた.そこで,本申請研究ではMRSA治療歴を調査し,抗菌薬使用前後の薬剤耐性度の変化を詳細に調べ,薬剤耐性化のパターンを分析・分類した.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
寺尾 豊:内閣官房/文部科学省/厚生労働省/農林水産省,第1回AMR対策普及啓発活動表彰,2017年6月26日
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
Front Immunol
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Microbiol Immunol
BMC Oral Health
巻: 18 ページ: 52
Front Cell Infect Microbiol
巻: 8 ページ: 10
Cell Immunol
巻: 325 ページ: 14-22
Microb Infect,
巻: 20 ページ: 9-18
巻: 7 ページ: 300
J Dent Res
巻: 96 ページ: 571-577
Arch Oral Biol
巻: 81 ページ: 110-120