研究課題/領域番号 |
26305035
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50226172)
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研究分担者 |
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40397336)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50345790)
米本 和弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80422731)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 噛タバコ / 東南アジア / メチル化異常 / 口腔がん |
研究実績の概要 |
本研究では、噛みタバコの習慣にて白板症~口腔癌の多発する東南アジアをフィールドとして、この習慣に暴露されている口腔粘膜から『擦過標本』を経時的に採取・分析し、噛みタバコが口腔粘膜のDNAメチル化異常に及ぼす影響と病変発症との関連を明らかとすることを目的としている。このために、DNAメチル化異常の病態に応じた変化の検討を行っている。しかしながら、噛みタバコ習慣者の口腔粘膜メチル化異常の頻度 (pre-premalignantの検証)、白板症および周囲健常部におけるメチル化異常の頻度 (premalignantの検証)、ヒト口腔癌および周囲健常部におけるメチル化異常の頻度 (field cancerizationの検証)に於いては、その頻度・程度とも低いと推定され(がん病変に比べ)、擦過標本による母集団の規模拡大を行っている。このために、現在、国内に留学中(共同研究者の所属する北海道医療大学歯学部大学院)のバングラデシュ院生に擦過標本の扱いならびに検体解析の手技習得を行った。これにより、今後4年間かけて継続的に検体採取を行う目途が出来つつある(検体解析は長期保存が可能であるため、数量が集まった段階で行うことが可能)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究のカギとなる擦過標本と組織標本の信頼度向上に向けた検討を国内例(自験例)にて行って来ている。また、海外での検体集積は、各国の医師・研究者によって行うことを基本としているため、共同研究者の元に留学している海外院生の育成に努め、長期・継続的な活動を可能とする体制を整えることが出来て来ている。しかしながら、海外標本数が一定数になっておらず、解析に着手していない面もあるため、総合的にみて進捗状況としては概ね達成されているからやや遅れているの間に位置すると考え、一層の努力を傾注し進展を図りたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度に引き続き、長期継続的な活動を可能とする体制作りのため海外研究者の育成に努力を注ぐと伴に、H27年度は共同研究者共々、現地に赴き集積作業の促進を図ることとしている(H26年度は現地に赴くことが出来ず、H27年度に回した予算を活用させて頂き、促進に向けた努力を傾注する)。特に、本研究では、噛みタバコの習慣者で病変の無い者、白板症症例、癌病変例を主たる対象として、研究期間を最長の5年とし継続によるサンプリング規模の拡充を行ない、口腔癌で高率に検出しているp16INKA4、MGMT遺伝子プロモーター領域のメチル化異常をTargetに、噛みタバコ習慣者の口腔粘膜メチル化異常の頻度 (pre-premalignantの検証)、白板症および周囲健常部におけるメチル化異常の頻度 (premalignantの検証)、ヒト口腔癌および周囲健常部におけるメチル化異常の頻度 (field cancerizationの検証)を調査し、「ヒト口腔癌発症過程に於けるメチル化異常の意義」の解明を目指しており、検体の長期的・継続的なかつ幅の広い検体の集積が重要となっている研究であり、ここ数年は地道な努力が必要と考えている。これに沿って、H27年度の計画実施を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来、国内の共同研究者が現地(東南アジア各地)に出向き、検体収集ならびに回収を行う予定であったが、H26年度(初年度)は、結果として、東南アジアからの留学生教育に傾注し、現地に赴くことが出来なかったため、これを補う旅費として次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
申請計画に従い、H26年度に行えなかった国内の共同研究者が現地(東南アジア各地)に出向き、検体収集ならびに回収を行う予算に充当し、通年(計画全体)にて申請計画書の予算となる執行を予定している。
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