研究課題/領域番号 |
26310103
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 祥司 京都大学, 医学研究科, 助教 (80402890)
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研究分担者 |
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (20252447)
高折 晃史 京都大学, 医学研究科, 教授 (20324626)
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研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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キーワード | 老化 |
研究実績の概要 |
我々は、高齢者の多様性を規定する因子として、代謝特性に注目している。特に、近藤が長寿遺伝子として同定した解糖系酵素PGAMを中心に解析を進めた。その結果、昨年度PGAMが転写後制御機構として、細胞老化の過程で、癌遺伝子Mdm2によりユビキチン化分解を受けることを報告したが(Mikawa et al. JCB 2014)、本年度は、アポトーシスの過程でも、PGAMがMdm2によるユビキチン化を受けることを見出し、報告した(Mikawa et al. J. Cyto. Histo. 2014)。さらに、他のグループが長寿遺伝子として報告したサーチュインに注目し、そのメンバーの一つであるSIRT2がPGAMに結合し、脱アセチルカすることにより酵素活性を制御することを見出し報告した(Tsusaka et al. GtC 2014)。これらの成果は、PGAMが主に転写後制御を受けるという世界初の報告であり、他の二つの国際雑誌に招待され報告した(Mikawa et al. Science Proceedings 2014, Mikawa et al. CMLS 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、PGAM研究に関し順調な成果を上げたので、4つの国際学術誌にその成果を発表となり、順調な経過をたどっている。
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今後の研究の推進方策 |
さらに、PGAMの個体における寿命効果を解明するため、マウスモデル中心の解析を進める。PGAM-TG、PGAM-KOマウスの解析を中心として、個体における解糖系代謝調節の意義を検討する。同時に、メタボローム解析により、高齢者の多様性を説明しうる、血液メタボライト候補の同定を目指す。これら成果は、国内および海外学会発表を通じ、最終的に国際学術雑誌への投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、ノックアウトマウスを中心とした交配実験による中規模なマウス解析を行う予定であったが、マウスのタイピングミスとマウスの原因不明の死亡が相次ぎ(感染症でないことは確認している)、この部分の計画が遅れており、次年度への予算持ち越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、もう一度最初のヘテロノックアウトマウスからの交配によるコロニー形成をやり直し、順調にマウス数の増殖を認めている。よって、昨年度できなかった、ノックアウトマウス解析実験が、順調にいけば可能であり、本年度予算での実行となる。
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