研究課題/領域番号 |
26310111
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60171063)
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研究分担者 |
西 真理子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70543601)
村山 洋史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00565137)
谷口 優 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40636578)
清野 諭 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50725827)
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研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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キーワード | 加齢変化 / 類型化 / 心身機能 / 生活機能 / 社会保障ニーズ |
研究実績の概要 |
1.分析に必要なデータの収集 1)高齢者健診の実施 対象:群馬県草津町の65歳以上住民約2,400人 方法:2014年夏季に草津町総合保健福祉センターにて実施(受診数650人)。内容は後期高齢者健診(特定健診に準ずる)に加え、高齢者総合的機能評価(CGA)に必要な認知機能(MMSE含む)、口腔・嚥下機能、身体機能(握力、歩行速度、開眼片足立ち時間)、心理機能(健康度自己評価、GDS短縮版)、生活機能(日本版虚弱指標、ADL、老研式活動能力指標など)などの測定である。2)悉皆訪問調査の実施 対象:同町の65歳以上住民かつ2014年夏季の高齢者健診を受けなかった約2000人(65-69歳が603人、70歳以上が1374人)。方法 65歳から69歳までは郵送法、70歳以上は訪問面接法。有効回答者数はそれぞれ464人(76.9%)、1,279人(93.1%)、合計1743人(88.2%)。内容は、高齢者健診の医学問診、生活問診の項目のうち、調査員を派遣して面接調査が可能な項目に限定した。 2.分析に必要なデータセットの構築 草津研究においては、2002年から2013年の12年間毎年高齢者健診を実施するとともに、2-3年に一度悉皆訪問調査を行ってきた。これまで一度でも健診を受けたことのあるものは1,694人であり、その測定回数の合計は6,685。これに過去6回実施した悉皆訪問調査および2015年度実施した高齢者健診およぶ悉皆訪問調査のデータを追加した。 3.データセットを用いた分析 縦断的データの統計解析法の一つであるGeneralized estimation equationを用いて身体機能、認知機能や生活機能の加齢変化を描出した。またGroup-based semiparametric mixture modelを用いて、それら変化パターンの類型化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価できる点は、本年度も測定精度および応答率の観点から高い精度で対象者の健康情報が収集できたこと、収集したデータはこれまでのデータセットに追加され、これに縦断的統計解析法(GEEやlatent class analysis)を適用することで、高齢期の身体機能、認知機能さらには生活機能の加齢変化パターンの描出とその類型化に成功したことである。課題としては、2012年以降の医療費、介護費のデータの収集ができなかったことである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究事業期間中は予定どおり毎年高齢者健診は実施される予定であり、そのデータがさらにデータセットに蓄積され、より精度の高い分析が可能となると考えている。また、医療費、介護費の収集が計画より遅れているが、これは国保および後期高齢者医療保険でデータヘルス事業が開始されたため、現場がやや混乱しているためである。次年度以降はシステムが順調に稼働すると予想されているので、医療費や介護費の収集を急ぎたいと考えている。このデータは、2016年度に計画している類型化された加齢変化パターンごとの社会保障ニーズの算出に必須のものとなる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、高齢者健診と悉皆訪問調査で必要な旅費および人件費・謝金の重要な部分を本研究事業でまかなう予定であったが、年度途中で、草津町の委託費(第6期介護保険事業計画策定に伴う調査委託費)が入り、それを悉皆訪問調査の主要な経費にあてることが可能となり、当初の予定経費を節約することが可能となったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
高齢者健診の実施および医療費および介護費の情報収集費およびデータ作成費に充てる計画である。高齢者健診のうち研究として実施している高齢者総合的機能評価(CGA)は一人当たり1万円程度の経費がかかるため、受診者が600名の場合は、毎年600万円程度を用意しておく必要がある。昨年はその主要部分を他の研究費から充当したが、次年度は手当する研究費が少なくなったため、その部分は当研究事業で昨年以上に負担せざるを得ない。昨年度から持越しとなった研究費のうち大部分はそれに充当する計画である。
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