臨界的遷移と呼ばれるシステムの不連続変化を力学系の大域的分岐と捉え,位相的計算理論によるモース分解などの力学系理論により研究を行い,以下の成果を得た:(1) 力学系の大域的構造を表すモース分解を時系列データから求める方法をノイズを含む時系列データに対して拡張する MGSTD法を開発し,それを気象の実データに適用して気象パターンの遷移の抽出に成功した.(2) ヒトの2足歩行・走行遷移を臨界的遷移として捉え,それを記述するハイブリッド力学系としての新しいヒステリシス型の分岐現象を見出した.(3) 画像データから位相データ解析の手法を用いて時空間ダイナミクスのモース分解を求める方法を開発した.
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